「竜とそばかすの姫」鑑賞

本日は映画が安く鑑賞できるファーストデーです。

この日が休日に当たる事は少ないので、前々から何を観に行こうか色々と考えておりました。

折しもYoutubeで「Gのレコンギスタ」の総集編1と2が期間限定公開されていたので、続きの3もこの機会に見ようかと思ったんですが、上映劇場と回数があまりにも少なかったので代わりにこっちにした次第です。

細田守監督の映画を観に行くのも「バケモノの子」以来ですね。

何気に久しぶりだったので気合を入れて朝一番の回を観てきましたよ。

率直な感想を言えば久しぶりに骨太の大作アニメ映画をガッツリ楽しんだって感じです。

135分という濃密な映像にどっぷり浸かれて観終わった後は現実に頭を切り替えるのが大変な位でした。

この充実感が劇場で映画を観る醍醐味だなと改めて感じた気がします。

内容的にはインターネットの空間で世界的な歌姫になってしまった主人公が「竜」と呼ばれるアカウントを救うまでのお話なんですが、最後の歌唱シーンが鳥肌物でした。

今まで「これ要る?」とか思っていた日常のシーンが一気に伏線回収され、主人公の歌唱力と歌のクオリティの相乗効果でとんでもないカタルシスを得られました。

同じ細田作品の「サマーウォーズ」と題材的にも似ていますし、虚構の世界が現実に影響を及ぼす様も近しいとは思うんですけど、映画を構成する要素の中の「絵」「話」「音楽」の中で音楽にパラメーターを大きく振って作品を作っている所が面白かったですね。

曲や歌の出来に賭けるってなかなかの博打だと思うんですよ。

その出来が水準に満たないだけで駄作にもなりかねませんし、そもそも歌の良し悪しなんて受け手の感性に依るので、観た人全員に訴えかける物を提示してそれを成し遂げるなんて簡単な事じゃありません。

この辺の技巧的な部分で過去作と大きく差別化を図れたのは本当に凄かったと思います。

最近では顔出ししない歌い手というのも増えてきていますし、題材的にも時代とマッチしていたのも功を奏していて良い追い風になっていたんじゃないでしょうかね。

終わり方も奇麗でしたし、本当に観て良かったですよ。

ただ敢えて難点を言うなら主人公の重い過去が若干キツく感じたかなと。

おおかみこどもの雨と雪」や「バケモノの子」もそうでしたが、あんまり見たくない暗い話を踏み台にして成り立っているのが毎回辛いんですよね、細田作品って。

もちろんそれがあるからこそのあのカタルシスではあるんですけど、乗り越えるのが毎回億劫なのでファーストデーという後押しが無ければ映画館へ行く決断ができずにスルーしちゃってたかもしれません。

この辺は精神的なダメージを負わずに楽しめる軽めのエンタメ作品に慣れ親しんでしまった今の自分の趣向からくる弊害なんでしょうな。

そこを少し叩き直して貰えた意味でも観て良かったと改めて思います。

シアターの音響で鑑賞する価値は大いにある作品ですので、機会があれば是非どうぞ。