「サイレン」鑑賞(ネタバレあり)

久々にヌマタとも一緒に観て来ました。
やっぱり3人だと盛り上がりますね。


で、早速感想なんですが、CMで謳い文句にするほど音響がアトラクションな感じには思えませんでした。
ぶっちゃけ普通かな、と。
あと一応ジャンルとしてはホラーって事になってるようですが、その雰囲気は前半だけに出ていて、屍人が出てくる後半からオチにかけてはどんでん返し系サイコサスペンスでしたね。
なのでほとんど怖く無かったです。
強いて一番怖かった所を挙げるとすれば、序盤の虫が飛び跳ねるシーンですか。
でもあれは生理的にびくっとしてしまっただけで、ホラーとは別だと思うんですがね。
まぁ、終始驚かないよりはマシなんですけど。
その他に周りの観客は屍人と化した森本レオがいきなり現れる所でキャーキャー言ってましたが、個人的に森本さんはどんなに怖い格好をしてても温厚さが滲み出てしまってるので、全く驚けませんでした。
その前後でもあまり主人公を追いかける素振りも見せず、ただ室内でスコップ振り回して暴れてただけですしね。
死体なんだからしょうがないとは思いますが、あれじゃバカすぎて怖がるに怖がれません。
っていうか心の中じゃ安心感すら感じてましたよ。
もっと言ってしまうと、他の屍人も主人公を襲いたいんじゃなくて、ただ嫌がらせをしたいだけにしか見えませんでした。
これってホラー映画としてかなり致命的だと思うんですが…。
数十年前に起きた島民失踪事件も、精神に異常をきたした男が全員を殺害していただけだったと結論付けられてましたが、そしたら「疫病の移民が…」とかいう件は何だったんだって事になりますしねぇ。
視界ジャックもただの演出でしたし、これじゃあ結構お粗末かなって思えてしまいます。


でも、粗は多くとも決して面白くないわけではありません。
それは何故かと言うと、監督が堤幸彦氏だからです。
一応ホラーとして不気味さを出そうと色々頑張ったんでしょうが、島民が謎の儀式をしてる所とかは「トリック」にしか見えませんでしたからね。
あれで「ボーン」とかいう効果音がついたら間違いなくそのまんまだと思います。
まぁ、本編前に「トリック劇場版2」の予告をやってたり、本編に阿部寛も出てたからそう思ったのかもしれませんが、でもやっぱりトリックの匂いは拭いきれてないんですよね。
だからトリックだって演出を変えればホラーっぽくなるんだぞってのを楽しむのが正しい見方なのかもしれません。
あと怖いのを期待せず、サスペンスを楽しむつもりで行くと肩透かしを食らわずに済みそうです。
…まぁ、微妙と言っちゃ微妙なんで、強くお勧めはしませんけどね。
後は各人の判断にお任せします。