「MHP2」進行状況

正直、この「JUMP 炎帝の凱旋」に挑んだのはただ「久しぶりにテオ・テスカトルの相手をしたかったから」だ。
ヤンもグラビドS装備を揃え、ミーもレウスS一式を身に纏う事が出来、ここにはいないヌマタもディアブロSなんて不似合いな物を手に入れてしまって、おまけにアカムトルムまで撃破してしまった。
だからオレ達はもう成長しきってしまったと勘違いしていたんだと思う。
つまりこの絶体絶命の状況は、言うなればオレ達の慢心をものの見事に再現した物だったわけである。

オレ:くそっ!! 間に合え!


街のベースキャンプからエリア3へ全速力で走る。
目的地では既にミーとイタヤンがテオと死闘を繰り広げていた。
オレはと言うと、真っ先に奴に挑んであっさり返り討ちに遭ってしまい、こうして戦線への復帰に奔走しているわけだ。
正直、嘗めていた。
近寄るだけで体力を奪われる「炎ガード」対策に活力剤も飲んだので、オレ達の腕なら上位とはいえこれだけでも討ち負けはしないだろうと高をくくっていた。
だから奴とほんの少し打ち合っただけで体力ゲージの3分の2も一気に持っていかれて、1分と持たずベースキャンプ送りにされてしまうとは思いもよらなかった。
今だからこそ解る。
奴はアカムトルムよりも強い。
だから最低でも今討伐に参加している全員が揃わないと、互角にも渡り合えないだろう。
急がなければ。
オレがみんなに追いつけなければ、絶対に負ける…!
が、事態はオレの考えていた最悪の方向へと傾いてしまった。

ミー:ぐあっ!!


画面にはミーがやられたという表示が、無残にも表示される。
エリア3に残ったのはヤンただ一人。
ミーより経験の浅い奴では、足止めすらままならないだろう。
加えてリタイヤしてしまった回数は既に全体で2回。
後1度誰かかがやられれば、それだけでゲームオーバーが確定する。
…助けないと。
今すぐヤンを助けないと、本当に何も出来ないまま負けてしまう。


エリア1に到着する頃には、ヤンのHPは半分まで減っていた。
ここからはあと少し。
あと数秒で追いつけるのに…


画面には、無常にも奴が負けた旨を伝えるウインドウが表示されてしまった。


…間に合わなかった。
そして完璧に、テオへ敗北を喫してしてしまった。
攻撃を浴びせる事が出来た数なんて、きっと指で足りる程度だったろう。
無論、部位破壊なんて一箇所も出来てはいない。
本当に「完膚なきまでにやられる」というのはこういう事を言うはずだ。
だからこそ、みんな無言だった。
…が、不思議と顔はニヤついていた。
そしてそれはオレも同じだ。

オレ:…負けたけどよぉ、久々に燃えたよな?
ミー:ああ、まだこんな獲物がいたとはな…。
イタヤン:オレ、ワクワクしてきちまったぜ…!


無難な勝利に乾いていた心へ注がれた「完膚なきまでの敗北」は、むしろ心地良ささえ与えてくれた気がする。
そう、この敗北が逆にオレ達に火をつけてしまったわけだ。

オレ:やってやろうや。次の目標は上位テオ狩りだ!
イタヤン:っていうか、上位古竜全部倒さね?
ミー:こいつは熱くなってきやがったぜ…!


そんなわけで、新たな敵を倒すために再び腕を磨くことと相成りました。
次に4人が揃う時まで、さらに強くなっていようと思います。