腕慣らしで始めた「アーマードコア2」をクリアしました。
初クリアから既に5年も経過していますが、このゲームが持つメッセージとストーリーの良さは今でも色褪せません。
フライトナーズ*1のリーダーであり、火星クーデターの首謀者であるレオス・クライン*2は、一見「レイヴンによる火星の支配」を目指しているかのように見せるものの、その実は古代火星文明の大型コンピューター兵器であるフォボスを使っての「人類の管理」を目論んでいました。
実際にコンピュータープログラムに管理されていたレイヴンズネスト*3時代を知っていた彼は、プログラムが無くなって箍の外れた企業が再び「大破壊」を起こすのではないかと懸念し、管理が必要だと結論付けたのでしょう。
しかし、その理想もイレギュラー(管理しきれない存在)である主人公によって阻まれます。
が、オペレーターのネルはエンディングのレポートで
「クラインのしていたことは間違いだとは思えない。ただ、彼はそこに至るまでの手段を誤っただけ」
と語っています。
戦火を食い止め、人類を救うために戦った主人公。
人類のより良き未来のため、管理者を生み出そうとしたレオス・クライン。
主人公が最後の報酬として得た「自由」は、再び緩やかな破滅を生むのか…。
結局この結論は提示されること無く、物語は幕引きを迎えます。
人類は誰かに支配されれば自由を求めるでしょう。
しかし、自由を得ればその身も世界も滅ぼしてしまう。
自由を使いこなせる器に成長するまで、我々は滅びずにいられるんでしょうか。
「レイヴン…。お前は何を望む…?」
レオス・クラインの最後の言葉は、プレイヤーが人類の因果律を破壊する「イレギュラー」であって欲しいという願いであったのかもしれません。