決戦はいつも10時(7月2日)

欝をぶっ飛ばせ

オレ:こ、こいつは久々にきついわ…。


買ってからほとんど手をつけていなかった「narcissuナルキッソス)」を一念発起してクリアしたんですが、このラストは思った以上に応えました…。
何となく解っていたけど、救いようが無さ過ぎて切ないわ…。
こんなの「AIR」以来だぜ…。
…もしかしたら、明日の仕事にも支障あるかもなぁ。


とか思いつつPCのイヤホンをはずしたら、携帯にメールの着信があった事に気づきました。
送信者はヌマタです。*1
本文を見てみると…

ヘイジョー
果たしてガチに今日BOOK・OFF凸するのかい?w


という旨の内容が書かれていました。
この文章の意味を説明すると少し長くなるのですが、実はヌマタの奴は今、山形の教習所へ通っているのです。
でその道すがらにブックオフを見つけたというので今度行ってみようという話しを以前にしていたんですが、奴はそれを今行かないかと言ってきているってわけなのですよ。
…と言っても、受信してから既に1時間も経過している上にミーの奴も仕事から帰って来ていないので、今から行くのはもう無理でしょう。
時間だってもう午後の6時を回る頃ですし。
でも返事をしないで放置するのも何なので「行きたい気持ちはあるけど、無理っぽいだろ」と書いてメールを送り付けました。
と、その直後にタイミング良くミーが帰ってきました。

ミー:で、ヌマタから山形へ行くかどうかのメールが来たわけだが、どうする?


あの野郎はミーにも同じ内容のメールを送っていたようです。
まぁこう状況が整ってしまっては行くことも検討しなければなりません。
正直、オレだって未開の土地には興味ありますんで。

オレ:そうだな…。今から飯食って、山形に行って戻ってくるんだから、帰宅するのは11時とかになると思うぞ。それでも良いか?
ミー:オッケー。明日オレ休みだし。


というわけで、オレ達の果て無きボウケンスピリッツは山形へ行くことを選択してしまいました。

113号線をどこまでも西へ…

飯を軽く済ませ、なけなしの1万円を持って満タンまで車にガソリンを給油した後、ヌマタの家まで突っ走り、そして奴と合流を果たしました。

ヌマタ:言っておくが、山形までコンビニひとつも無いから食料と水は確保しておいたほうが良いぜ。
オレ:な…。マジかよ。


ヌマタの言うことに軽くビビリましたが、ここまで来てはもう後に引けません。
一応近くの店で水分と食い物を買って、進路を西に取りました。

ヌマタ:113号線に入ったら、あとはずっと真っ直ぐだから。
オレ:了解。


言われるままホイホイ113号線に入ると、道は鬱蒼とし始め、トンネルも多くなり、更には街灯まで少なくなってきます。
で、七ヶ宿町に入る頃には既に山の中になっていました。

オレ:…なぁ、今何時?
ミー:8時半…かな。
ヌマタ:まだそんな時間なの!? すげぇ暗いから深夜みたいなんだけど…。


で、とうとう山形に突入です。

オレ:うおーー!! 初自力県外!
ミー:山形www
ヌマタ:もう蟲とか出ても文句言えない所だぜwww


時刻は夜の8時40分。
この山形への入り口がまだまだ旅のほんの序章である事を、我々はまだ知りませんでした…。

時間の波をつかまえて

山形に入ると回りは何処も闇に閉ざされた田園風景で、時折月明かりに照らされた田んぼがうっすら目に飛び込んでくるばかりでした。
…もうこの田舎っぷりはワッツの地元の比じゃありません。
だって明かりという明かりが全く無いんですから。
ここは何か30年ぐらい前から時間が止まってるような風景に思えて仕方ありません。
対向車もほとんど通らないので、不安が心をどんどん蝕んでいきます。


で、そんな心境で山道を進み続ける事更に30分。
ようやく信号機が見えてきました。

ミー:何か赤信号で停車したの久しぶりじゃね?
オレ:というか、あれだけ長い時間信号につかまらずに走ったのは初めてだ…。


何となく現代の交通システムに出会えて安心してしまいましたが、周りの変化はこれだけではありませんでした。

オレ:おお、見ろ! 地平線に街の光が見えてきたぞ!
ミー:文明の光だ!!
ヌマタ:山形の町に着いたぞー!!


人の気配に心細かった車内の雰囲気が一気に明るくなります。
そう、我々はとうとう奥羽山脈を抜け切ったのです。
そしてこの町こそが今回の山形の目的地「南陽市」なのでした。

異国の地、闇夜の迷宮

南陽市に入ってから、再びヌマタのナビゲートが始まりました。
奴が教習所の送迎車から見た風景を頼りに方向を指示していきますが…

ヌマタ:次を…右?
オレ:右だな? 本当に右でいいんだな?
ヌマタ:…あれ? 何か見たこと無い所なんだけど…。
ミー:お前ふざけんなよwww


何か奴が段々迷い始めてきたので、一旦道すがらに見つけたヤマザワに止めて場所を確認することになりました。




必死でルートを確認するヌマタと、見知らぬ地ではしゃぐミー

オレ:で、場所は分かったのかよ。
ヌマタ:とりあえずEZナビウォーク起動するお。


で、このナビに任せてブックオフまで行く事になりましたが、これがまたどうも上手くいきません。

ナビ:50メートル先を右斜めに曲がってください。
オレ:右斜め!? そんな道無いぞ!
ヌマタ:うはwww オレもわかんねwww
オレ:あー、もうお前には任せてらんねぇ!! とりあえず来た道を戻ってやる!

で、さっき右に曲がって間違えた場所を今度は左に曲がったところ、何とかヌマタの見た覚えのある場所まで来る事が出来ました。

ヌマタ:いやぁ、夜になると景色が一変して分からなくなりますなぁ。
ミー:お前いっぺん死ねよwww


ヌマタの事だから何となくこうなるんじゃないかと予想してはいたんですが、まさか本当に当てにならないとは思っても見ませんでした。
…まぁ、こんな夜に県外まで出かける決断をしたオレが一番悪いんですがね。

セーブ・ポイント

改めて道を進んでいくと、何やら見たことの無いコンビニが見えてきました。




オレ:セーブオン!?
ヌマタ:宮城に無いぞ、あんなコンビニ!
ミー:きっとセーブポイントなんだって。


更には山形のゲオも発見したので、早速寄ってみます。

オレ:おお「武装錬金//」が売ってる。


武装錬金// (JUMP j BOOKS)

武装錬金// (JUMP j BOOKS)

前から欲しかった本な上にお値段も200円と格安です。
これはもう買うしかないでしょう。
早速レジへと持って行きます。

店員:会員カードお持ちですか?
オレ:はい。
店員:…ああ、お客様のカード有効期限が切れてますので、更新しておきますね。
オレ:え、あ、はい。


…何か勢いで更新してしまったが、まさかこの店員さんもオレが宮城県民だとは思ってもいないんだろうな。
というか山形でカード更新しちゃって大丈夫なんでしょうか?
宮城で使って支障ないんだべか?
まぁ、なるようになるか…。
とりあえず、買い物も済ませてこの店をあとにしました。

オレを待ってる本がある

店を出るとすぐ近くにブックオフへの地図が記載された看板がありました。

オレ:やった! これで目的地に着けるぞ!
ミー:長かったぜ…。
ヌマタ:だが、それがいい


きっとそこにはまだ見ぬ本がある。
オレ達を待ってくれているCDがある…。
はやる気持ちを抑えつつ看板の通りに走っていくと、ようやく店にたどり着くことが出来ました。
が、ここで本日最大の問題が発生します。

オレ:おい、ここの閉店時間22時だってよ! 今何時だ!?
ミー:…21時54分。


何と、ここまで来て閉店時間ギリギリだったのです。
が、わざわざガソリン満タンにしてまで山形にやってきたんですから、ここで引き下がるわけにはいきません。
急いで車を降りて、店内に踏み込みます。

ヌマタ:まだ時間大丈夫ですか!?
店員:ええ、まだ5分なら…。
オレ:よし、行くぞ!
ミー:おう!


オレ達はこの残り5分に命を賭ける覚悟で店内を見て回ります。
…待っていろ、今日の収穫!!
絶対にここまで来た元を取ってやる!!
血走った目で本を物色していると、攻略本コーナーに何やらハードカバーの設定資料集があるのに気づきました。

オレ:これは…!


それは「Ever17」の設定解説ファンブックでした。
このゲームの関連書籍は滅多にお目にかかれないので、1000円という値段だけ確認してとりあえず引っつかみます。
そしてその隣にあった「超獣機神ダンクーガ」と「.hack」の設定資料集も手に取って、更にマンガコーナーへ。
…が、ここには特にめぼしい物はありません。
仕方ないのでCDコーナーに場所を移しますが、ここにも欲しいものは見つからず。
そして残念ながらこの日はここでタイムアップとなってしまいました。

店員:えー、1000円、1300円、1000円で合計3300円のお買い上げになります。


Ever17 the out of infinity Premium Edition 設定解説ファンブック (JIVE FAN BOOK SERIES)

Ever17 the out of infinity Premium Edition 設定解説ファンブック (JIVE FAN BOOK SERIES)

超獣機神ダンクーガ 完全設定資料集 (DNAメディアブックス)

超獣機神ダンクーガ 完全設定資料集 (DNAメディアブックス)

[rakuten:book:11194885:detail]


…まぁ、とりあえず「Ever17」の設定資料集が手に入っただけでも今日は来た甲斐があったって所でしょうか。
何とか古本屋の場所も覚えられましたし、最終的には満足って感じです。

遠い我が家に思いを馳せて

山を越え、遠い地へ来て目的を果たした今、胸に去来する物は地元への強い郷愁でした。
見知った地を抜け出したからこそ世界の広さを実感もしましたが、その反面時間に追われて何処にも自分が腰を落ち着けられる場所なんか無かったのもまた事実です。
やはりこの広い大地にオレの居場所は一つしか無いのでしょう。
この星の、日本の、宮城にある我が家…。
そここそがオレ達の帰る場所なのです。

オレ:…さて、戻るか!
ミー:おう。
ヌマタ:もう疲れちまったぜ!


少し大げさに思えるかもしれませんが、他県に来てまたひとつオレの見識が広まった気がしました。
あの暗闇の田園風景も帰りには不思議と不気味に感じませんでしたし、何か成長が感じられた気もします。
ただ、次また来ることがあるならその時はもっと時間に余裕を持って、明るいうちに来るべきだと思いました。
不安な思いは懲り懲りですからね。

余談

家に帰ってから今日買った本のネット上での取引価格を調べてみたら、何と「Ever17」の設定資料集に8700円もの値がつけられていた事を知ってしまいました。
これは予想以上の収穫だったかもしれません…。
が、これってネタバレしまくりの本らしいので、クリアしなきゃ中身を読めそうにも無いんですよね。
…そろそろ頑張ってゲームに手をつけ始めてみますか。

*1:ヌマタは既に無事に退院しております。