仮面ライダーディケイド 第5話「かみつき王の資格」

キバ編の最終回でしたが、綺麗に纏めてくれましたなぁ。
自身のファンガイアの本能を恐れて人間との共存を信じられなかったワタルが、小野寺との友情によって徐々に変わり始め、王の資格を取り戻していく流れは見事でしたよ。
ビートルファンガイアが「ファンガイアは人間を襲ってはならない」という掟を破棄した後も、表立って人間を襲う描写が無かった所も凄いなと思えましたしね。
本来こういう絵がないと世の中の流れが変わったという実感を得にくいものなんですけど、あえてそれを出さずにワタルと小野寺の話を中心に据え、それを描ききる事で物語の説得力を強め、見る側に大きな満足感を与える事に成功していましたんで。
結構な力技ではありますけど、これってよっぽどの力が無いと出来ない事ですよ?
更に残虐な描写を抑える事にも成功してるんで、理にかなってましたし。
こういうのは目から鱗だったなぁ。
それと最後も非常に秀逸でした。
士の奏でるバイオリンの音色に満足しながら息絶えるビートルの姿が「人もファンガイアも美しい物を美しいと思える事に変わりない」という事を表し、ファンガイアとの共存の可能性を示していましたんで。
またこれを「人とファンガイアは何も変わらない」と言っていた士にやらせた所がにくいですなぁ。
自分の言葉を自分の力でもってきちんと証明させたわけですから。
最初あんなに演技の大根っぷりが目に付いていたのに、早くもディケイドとしての貫禄が見えてきた気がするんで、見てて結構嬉しかったりもします。
あと、今の所登場しているメインの仮面ライダー全てにきちんとした役割が設けられているのも好印象です。
誰一人として余計なキャラがいませんからね。
ただ今後人数が増えていくとどうなるか分かりませんし、相変わらず物として扱われているディケイド以外のライダーも気になる所ではあります。
ゴウラムになるクウガも酷かったけど、弓になったキバもまた不憫でしたし…。
でもワタルはキバの世界に残る決意をしたんで、旅の面子が増え続けるという心配はどうやら無さそうですね。
今後も士と小野寺のライダーコンビで戦っていくという潔さはきちんと評価したい所です。
…いやでも、次の世界の奴はついてくるかもしれないわけですから、まだ予断は許しませんか。
で、その次の世界ってのは龍騎になるようです。
これはあんまり見た事が無いライダーなんで、ついていけるか心配ですな。