今日のサントラ


魍魎戦記MADARA」のサントラです。
お値段はヤフオクで2200円でした。
このゲームは小さい頃に友人の家にあったものです。
何かこのマダラというゲームは子供の自分にも分かる程異彩を放っていたと言うか、一種異様な雰囲気を纏っていた気がします。
まず第一にソフトが馬鹿でかいですし、ソフトには地図が同梱しているという変わりっぷりで、その地図を見ながら「今この辺だねー」とか言いつつ友人と攻略していた記憶があります。
と言うか何かあの地図を見てるだけでも楽しかった記憶がありますね。
地図の右の隅の方には女神が息を吹きかけて消している赤い大陸があったりして、最後はここに行くんだろうなぁとか思ってましたし。
…まぁ、その赤い大陸ってのは後に「MADARA赤」の舞台になるフダラク大陸の事なんですけど、その当時はそんな事なんて全く知る良しもありませんでしたね。
で、そんな他のRPGとは一線を画していたマダラですけど、中でも一番凄いと思っていたのが音楽です。
カートリッジが馬鹿でかいのは伊達ではなかったらしく、そこいらのゲームとは格の違う音色を発していて子供ながらにも良い音楽だと思ったりしていました。
勇ましさを湛えたフィールドの曲「MA・DA・RA」や、本当に聴く度に安らぎを覚えていた村のBGM「おだやかな光の中へ」など、今聴いても素晴らしい音楽が目白押しなんですが、どの曲にも何処か物悲しさと言うか、孤独感のような物が感じられてやたらと胸に迫るんですよ。
あの漠然とした切なさは一体何だったのか。
それは結局理解できないまま、その友人とも疎遠になってしまい、ゲームもクリアせず仕舞いで小学生時代を終える事となってしまいました。


それから高校に入学する直前ぐらいでしょうか。
古本屋でたまたま魍魎戦記MADARAのマンガを100円で見つけまして、懐かしさの余り全巻買って読み始めてしまいました。
元々ゲームから入った自分にはやたらとRPGを意識して、敵のパラメーターまで設定されていたマンガの内容に苦笑すらしてしまいましたが、全巻を読み終えた後にこのストーリーが摩陀羅達の108回にも及ぶ転生の物語のほんの序章に過ぎなかった事を知って、カルチャーショックを覚えたのも凄く印象に残っています。
それから高校に無事受かって入学を果たした後、帰り道にあるゲームショップでマダラの転生後の物語である「バサラ編」を発見し、更に初代マダラの直接的な続編であり、マダラと共に戦った聖神邪を主人公に据えた「MADARA赤」とも出会い、壮大なMADARAワールドへと再びのめり込んで行ってしまいました。
その後も「ギルガメッシュサーガ」に手を出して、それから「幼稚園戦記まだら」を読み終えて輪廻転生の物語に終止符が打たれた*1のを知ってから自分のマダラ熱も終息を迎えましたが、最近になってふとあのゲームのフィールドの音楽が頭を過ぎり、無性にサントラが欲しくなって現在に至ると言った感じになっています。
壮大な回り道をして再びまたこの音楽戻ってきた今も、このサウンドの根底にある孤独感の理由を漠然とした物としてしか捉えられてはいませんが、恐らくはこれから先の出会いと別れみたいな物を予め組み込まれて出来ていた曲だったからなのかなと思ったりしています。
ある者は転生の宿命を背負い、ある者は居なくなったマダラを追い続け、ある者はマダラの遺志を継ぐ。
そういうこれから先の過酷な運命を予見させ、胸に何処か悲しさを去来させる音楽を作って見せたコナミ矩形波倶楽部の手腕は見事だと言わざるを得ません。
音楽単体として見ても素晴らしい出来だと今でも思いますし、後々まで語り継がれる一品になるんじゃないでしょうかね、これは。
D
これからもちょくちょく引っ張り出しては聴いていこうと思っています。

*1:まぁ幼稚園戦記は108の輪廻転生の物語に含まれない外伝的な物語なんですけど、自分にとってはしっかりとマダラサーガを完結させてみせたこれが最後だと思っています。