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暗殺教室 1 (ジャンプコミックス)

暗殺教室 1 (ジャンプコミックス)


暗殺教室」の1巻です。
お値段は中古で300円でした。
話題なので買ってみました。
正直ジャンプのマンガはもう年代的に肌に合わないんじゃないかと思って、最近は避ける傾向にすらあったんですけど、これは色々と上手い味付けがしてあって面白いですね。
進学校で差別までされる落ちこぼれクラスの担任になったのは地球を滅ぼせるほどの怪物で、卒業までの1年間にその先生を殺せなければ地球は爆破されてしまうので、クラスの生徒達が暗殺に躍起になるという話なんですが…。
自分はタイトルだけ見たら殺し屋養成学校のお話だと思っていたので、色々と面食らってしまいました。
想像と真逆ではあったんですが、その分予想外に面白いことばかりであっという間に読み終えてしまいましたよ。
落ちこぼれのクラスというだけあって、頭が悪い生徒以外にも不良みたいなのも出てきたりするんですが、普通は教育をテーマにするマンガは先生が生徒の目線に立って相手を理解して打ち解けていくというのがセオリーで、所謂ヒューマンドラマの王道を行く題材であったりします。
しかしこの話は最高速度マッハ20で地球上を駆け回り、攻撃を受けても瞬時に再生し、しかも頭脳明晰な化け物です。
そんな怪物だからこそどんな不良をも力で凌駕出来るので、その時点で既に対等では無く、教育物のセオリーから著しくはみ出しています。
しかしこの殺せんせーは並の人間より人格者なんですよね。
どんな落ちこぼれも見捨てず、危険分子と言える生徒も軽くあしらう。
だからどんな生徒もどんな暗殺も力で受け止めるんですよ。
故に教育物もヒューマンドラマの要素もしっかり満たしておりまして、その絶妙なバランスで成り立つ話の妙と、変幻自在のポテンシャルを持つ殺せんせーの可能性の高さに心底驚かされてしまいました。
これは作者が楽しんで話を書き続ける限り、何でも面白くしてくれそうな題材な気がしますね。
久々に次へ次へとグイグイ読み進めてしまいたくなるマンガだと思いました。


で、閑話休題ですが「どんな生徒も力で受け止める」のがこの作品の面白さだと言いましたけど、考えてみれば昔は先生ってこれぐらい強いものだった気がするんですよね。
だからこそ教育が成り立っていたんじゃないかと思いますし、ここまで大げさにしなければ先生に求められる物が分からなくなっている世の中ってのも異常な気が致します。
そうなるとこの暗殺教室も至極シンプルで真っ当な理論の上に成り立ったお話でもあると思います。
マンガとしては絶妙に異端で、教育論から言えば自然だという両極端な要素が共存してるのがこの作品の魅力って事なんでしょうかね。
ともかくこんな先生が欲しくたって現実では存在しないので、実現可能な所まで話を落とし込むと、先生全員をガチムチにする事を義務付けて、生徒が悪さしたら掘るという事にすれば世の中平和になるんではないかと。
…まぁ、それも冗談ではありますけど、極論としてはそういうのも必要なんじゃないでしょうかね。
ちなみに近い内に新品ででも続き買ってきます。
面白いマンガに出会えるのは素直に嬉しいですね。