「清州会議」鑑賞

先日帰宅が遅くなったのはこの映画を観る為でした。
平日からレイトショーを観るなんて久しぶりだったので、何か色々と懐かしかったです。


この映画は三谷幸喜監督の作品です。
三谷監督と言えばユーモア溢れる笑いのセンスをお持ちで、エンターテイメント性に富んだ作品で有名でして、自分も今作にそういう魅力を求めて劇場へ参じたんですが、実際は大河ドラマの様な重厚な歴史絵巻でございました。
ストーリー的な笑いの要素は殆ど無し。
フィクションの要素は極力無いであろう、シリアスな映画となっていました。
しかしその映画で中核を務める羽柴秀吉を演じるのは水曜どうでしょうでお馴染の大泉洋さんと来たもんですよ。
秀吉と言えば「サル」と呼ばれながらも出世して成り上がった歴史上の偉人だったので、こういう三枚目な感じは大泉さんに適任だったと思いきや、物語の後半では天下人としての資質を問われる話になり始め、そこで役所広司さんや浅野忠信さん、小日向文世さん、佐藤浩市さん、鈴木京香さんという錚々たる重鎮達と演技を交わし、その方々に引けを取らない演技で「秀吉」の風格を見事に生み出していた事には驚きを禁じえませんでした。
こんなシリアスな大泉さんを見たのは初めてでしたし、どうでしょうで見せていた姿と真逆だった事がとにかくカルチャーショックでしたよ。
人間は光の当て方で様々な側面を見せる物ですが、役者と言うのはそれが本分であるが故に更に多面的であるという事を思い知らされた作品だったと思います。


まぁ、平たく言うと三谷作品らしい「面白い映画」を期待しすぎると肩透かしを食らう物の、出演する縁者さんの色んな側面を観る事が出来る「良い映画」だったって事ですかね。
あと上映時間が2時間半もあるので油断すると大分疲れますのでご注意を。
体力に余裕を持ってご鑑賞下さいませ。