「バケモノの子」鑑賞

ターミネーターに続き、朝一番の回を近くのイオンシネマで観てきました。
劇場の開場時間は朝の8時だったんですが、8時15分頃には既にエレベーター前に行列が出来ている始末で、結局チケットを買ってシアターの中に入る事が出来たのは上映開始時間から10分ほど過ぎた頃でした。
まぁ、10分過ぎたと言っても予告関係の上映がされてる時間帯でしたので、本編は余さず見れましたけどね。
これからこういうお店のオープン時間より早く入る場合は事前にチケットを買ってから来るようにしたいと思います。


で、映画の感想ですが、今回も「サマーウォーズ」同様に涙腺を緩ませられましたよ。
しかもサマーウォーズではおばあちゃんの手紙で一度うるっと来ただけでしたけど、バケモノの子では2回もうるっと来させられました。
泣き所が2倍に増えてるってだけでも素直に凄い事です。
おおかみこどもの雨と雪」では正直胸に迫る物はあっても泣くまでは行かなかったので、その分のツケを返された気分ですね。
やってくれるなぁ、細田監督。
ちなみに今回2回泣けた理由ってのは主人公の九太の父親として登場する人物が多数登場するからです。
見る前は九太の師匠の「熊徹」が父親として描かれるだけなのかと思ってましたけど、実際は百秋坊や多々良や九太の実の父親など、様々な人物が代わる代わる九太を導く存在になってるんですよ。
理想の父親ってのはその人の生き様の芯になる部分を作ってくれる立派な存在って事だと自分は思ってきましたが、そういう完璧超人ってのは現実にはそうそういませんので、熊徹が理想の父親として欠けている部分を色んな人物が登場して穴埋めして行って立派な父親像を作っています。
なので逆を言えば父親を細分化しただけ多くのドラマの積み重ねも生まれるので、泣ける箇所も増えていたって感じです。
熊徹には最後泣かされるんじゃないかと見る前から何となく覚悟はしてたんですけど、まさか百秋坊と多々良の方に先に泣かされるとは思ってなかったので、この意外性にも驚かされましたよ。
こういう人の想像を超える事をやって見せられるとやっぱスゲェなぁと思ってしまいます。
そしてフィクションとは言え、先ほど言っていた理想の父親ってのを安易にポンと出さなかったのもまたリアリティがあって良かったと思います。
むしろ本当に立派そうだと思っていた熊徹のライバルの猪王山にすら非情になり切れない、弱い部分もちゃんと描いていたりで、どいつもこいつも憎めない所もまた魅力でしたな。
ただ難点もやっぱありますね。
九太が成長してからの展開がちょっと性急過ぎた感じがあって、何かあの辺の展開にはちょっと違和感を覚えましたんで。
劇場にはお子様連れも多かったんですが、九太が成長していく件では笑い声も多かったものの、大きくなってからの話には子供がざわついてましたからね。
何か細田監督の癖なのかもしれませんけど、テレビアニメのような長いスパンで描いた方が良い様な主題を劇場長編アニメに持って来がちなので、その欲張りさからこういう無理が出てしまうのかなと。
でもそういう情報量の多さをここまでコンパクトに纏められてしっかり泣かせるんだから、やっぱり凄い人だとは思いますけどね。
アニメーション自体も凄かったですし、十分に劇場で観る価値はあると思います。
ただ子供にはちょっと長すぎるかもしれないので、中学生から大人がターゲットだと思った方が良いかなと。
条件に合う人ならお勧めします。