「電脳戦機バーチャロン」から見る「アーマード・コア」のスパロボ参戦論

早速バーチャロンマーズをやってみました。
マシンの見た目や、「電脳戦機」っていうタイトルから「ネットワーク空間での擬似ロボットバトル物」だと勝手に思い込んでいましたが、ちゃんと実機で戦うお話なんですね…。
っていうか、思っていた以上にかなりしっかりとした下地を持ってますよ、これは。
とりあえず、マーズのストーリーをざっと説明するとこうです。

歴史を「電脳暦」と数え始めた未来。
自らの可能性の限界を悟った人類は、相次いで無益な戦争を放棄する。
それと同時に国家や行政機関も崩壊を始め、代わりにネットワークに長けた「企業国家」が建ち上がる。
が、この企業国家は「限定戦争」という商業化された戦闘を生み出してしまう。
人々はこの殺戮に熱狂し、やがて派手さを求めて人間同士の直接的な戦闘から、「バーチャロイド」という巨大人型戦闘兵器を用いた大規模なものへとシフトしていった。


しかし、限定戦争の舞台としてテラフォーミングされた火星で、企業同士のシェア争いから大規模な犯罪が多発するようになってしまう。
この事態を重く見て設立されたのが「特捜機動部隊MARZ」である。


乾いた砂の大地で、新たな伝説が鼓動を始めた…

…とりあえず話を見る限りでは、スパロボに参戦したのも納得出来る内容なのではないかと思われます。
というか、これが実際にどういう形で他の作品と絡んでいくのか、非常に楽しみになって来ました。
誰がテムジン*1に乗るんでしょうかね。
あと、ハッター軍曹*2も出るんでしょうか?
うーむ、気になる…。


ところで火星に関わるロボットゲームで、もう1つ有名な作品があるのをご存知でしょうか?
そう、それこそ今回の議論の的である「アーマード・コア」なのです。


正確に言うと火星を舞台として話が展開するのは「2」となります。
奇しくもこれら両作品には「企業国家」が登場しますし、「限定戦争」が「アリーナ」と酷似していたりもします。
この素材を使って話を考えてみると、意外と面白い物が出来上がるんです。
例えば地球からフライトナーズと共にMARZが送られてきても良いですし、DNA*3殲滅にレイヴンが雇われても良いでしょう。
ここに「ダイターン3」*4のメガノイドが加われば、レオス・クラインが「フォボスとメガノイド化を併用した人類の完全な管理プラン」を画策する設定も可能となるのです。
逆に強化人間であるクラインにもメガイノイドの技術が流用されていたって設定にしても良いかもしれません。


視点を変えて、「アーマード・コア3」を利用しても話は作れます。
地下世界「レイヤード」から新たな勢力が出現した事で地球連邦が混乱したり、「ゲッターロボ*5の恐竜帝国の復活と同時に地下からACが現れ、戦闘を開始してロンド・ベルを驚かすのも良いでしょう。
更に「α外伝」で登場した「アンセスター」*6と組み合わせれば、超重力崩壊がアーマード・コアにとっての「大破壊」だったと見る事も出来ます。
また、イージス計画によって超重力崩壊が防がれたお陰で「管理者」がレイヤード住民を地上へ戻す事を前倒しし、3の物語が始まるという解釈でも面白いかもしれません。
あと「THEビッグオー*7と組み合わせて、「パラダイムシティそのものがレイヤードの一部だった」という展開にするのも一興かと思います。


とりあえずここまで述べただけでも、「アーマード・コア」をスーパーロボット大戦に参戦させる事は、ストーリー的に考えられない事ではないと理解して頂けたでしょう。
バーチャロン」「アーマード・コア」「スーパーロボット大戦」の3大ロボットゲームの夢の競演が実現すれば話題性も十分ですし、何よりファンが待つ究極の夢の形でしょうから、製作されればかなりのヒットは間違い無いと思われます。
…ただ、ACのアセンブリ*8や、ゲーム会社間の問題とか、課題は多そうですけどね。


ま、結局ファンの妄想で終わるのが関の山でしょうなぁ…。

*1:最初からミッションに選択可能な標準的バーチャロイド。「テムジン707S」や「テムジン747J」など、様々なバリエーションがある。更にそれぞれ型番の違うマイナーチェンジ版も存在するらしい。

*2:フルネームは「イッシー・ハッター」。限定戦争における歴戦のパイロット。戦闘教官や捜査官など、様々な経歴を有している。ちなみに本名ではないらしい。

*3:バーチャロイドを製造していたDN社所属の軍事組織。DN社崩壊後は傭兵軍団へと変化した。

*4:作品の正式名称は「無敵鋼人ダイターン3」。78年から79年まで放送された富野善幸(現在は富野由悠季)原作の傑作ロボットアニメ。波乱創造が火星で開発したサイボーグが突如として「メガノイド」と名乗り、帝国を樹立。ダイターン3と大量の金塊を奪取して地球へ逃れた創造の息子、「波乱万丈」が父の冤罪と復讐の為にメガノイドと戦うというお話。万丈はスパロボではリーダー的な活躍をしており、メガノイドもラスボス級の扱いを受けている。

*5:74年から放送が開始された初の合体ロボットアニメ。原作は永井豪石川賢。ゲッター線の平和利用の為に作られたロボットだったが、地下から現れた恐竜帝国の侵略に対応するために戦闘用として改造された。ちなみにその後「ゲッターロボG」や「真ゲッターロボ」、「ネオゲッターロボ」などの続編が続々と製作された。

*6:スーパーロボット大戦α外伝」に登場した敵組織。その実体は人類を生き残らせる為の「プロジェクト・アーク(人類保存計画)」によって作り出された人工冬眠システムが、未来世界で暴走した姿だった。

*7:99年にWOWOWで放送されたロボットアニメ。40年前に起こった「何か」により、記憶を失ってしまった街「パラダイムシティ」。この謎に満ちた舞台でネゴシエイター「ロジャー・スミス」がビッグオーを駆使して難事件に挑むというお話。全13話という短い放送期間の為に、謎が残されたまま中途半端に物語が完結してしまったが、アメリカでの熱狂的な人気を受けて02年に「解決編」に当たる残り13話が製作・放送された。結局そこで語られたのは極めて意味不明な答えだったが、個人的には「THEビッグオーは1つのアニメで、その放送期間が終わる時期を迎えたからパラダイムシティを無に還して新しいアニメを始めよう」というオチだったんだと解釈している。ちなみにアメリカのファンはビッグオーの「007的な世界観」が好きだったようなので、この残り13話は不評だったらしい。

*8:自分のアーマード・コアを組み上げる作業の事。ACはヘッド、アーム、コア、レッグ、ジェネレーター、ラジエーター、FCS、インサイド、エクステンション、バックユニットR、バックユニットL、アームユニットR、アームユニットL、オプションの14種類のパーツで構成されている。作品ごとにパーツの数が違ったり、格納兵器の有無がある為に正確な数はわからないが、100億通り以上の組み合わせが可能らしい。あまりに膨大なので、システム的にスパロボへの登場が難しいと思われる。