それは終わりではなく、始まり

今月は懐具合もいいので、今日は携帯を機種変更することにします。
別に壊れたわけではありませんが、もうこの携帯を2年以上も使っているので、流石に弟達が持っている新しい機種との互換性が少なくなってしまいました。
せっかく画像や音声データを貰っても使えないのはちょっと辛いですからね。
で、以前から検討していたんですが、携帯産業は流行り廃りが激しいので、良いと思った機種がすぐに製造中止になったり、単純にオレの手持ちのお金が無かったりでなかなか実行に移す事が出来ず、結局今日まで至っておりました。
もう良い機種を安くなるまで待っても同じ事を繰り返すだけですし、また2年以上使うのなら高くてしっかりした物を買おうと思い、決断した次第です。
で、今回オレが目を付けたのは「G'z One」という、CASIOの耐水・耐衝撃に優れたタフネス携帯です。
物持ちが良いオレにはぴったりですし、漢らしい無骨なフォルムを持っているので、一発で気に入ってしまいました。
しかも搭載しているカメラは128万画素というメガピクセルです。
ブログに載せる写真は全て携帯で撮っていたので、これがパワーアップするとなればもうこいつに決めない訳には行きません。
とりあえず親から予算を2万円ほど渡してもらって、auの携帯ショップへ向かいます。


幸いお店は空いていたので、すぐに店員さんに交換する機種を指定して、手続きを始めました。
「お客様、現在お使い頂いている機種をリサイクルに出していただくと、500円値引きになりますけれどもいかがいたしますか?」
…リサイクル、か。
この携帯は辛い時も苦しい時も共に過ごしてきた戦友です。
手放すにはちょっと惜しく思えます。
「…いや、リサイクルはいいです」
「そうですか。わかりました」
しかし、その直後にふと思いました。
このまま使えもしない携帯を持て余すのは、飼い殺しに等しいでしょう。
静かに眠る事も出来ないのなら、それはこいつにとって生き地獄と変わりないはずです。
ならば、新しい人生を歩ませてやるのがオレに出来る最後の餞ではないでしょうか。
こいつの魂は確実に新しい機種に受け継がれるわけですから、そう考えれば手放すのも悪い選択ではありません。
新しい酒は新しい皮袋に*1…、って奴ですね。
「あの、やっぱりこいつ、リサイクルに出してもらえませんか」
「はい、かしこまりました」
さらば、戦友よ…。
新しい人生を幸せに生きてくれ…。


新機種へのデータ移動に30分は掛かると言われたので、近くにある古本屋で時間を潰す事にします。
店内を見て回ると、面白いものを発見しました。
金子一馬グラフィックス「万魔殿」上巻です。

金子一馬グラフィックス万魔殿―悪魔編〈上巻〉

金子一馬グラフィックス万魔殿―悪魔編〈上巻〉

この方は「女神転生」シリーズの悪魔デザインを一手に引き受ていて、「悪魔絵師」の異名を持つ凄い人です。
丁度スパロボの「ベルグバウ」のデザインも手がけていたので、良いタイミングでめぐり会ったと思います。
でも、この画集の凄い所は独創的な悪魔絵を堪能できる部分だけではありません。
何と掲載されている全ての悪魔1つ1つに、説明が書かれているんです。
まるで辞典と行っても過言ではない内容で、非常に為になります。
お値段は1250円と少々高めですが、元値の半額ですし、財布にはまだかなりの余裕があるので思わず買ってしまいました。


で、あっという間に30分が経過して、受け渡しの時間が来ました。
機種代はポイントやリサイクルの割引を行ったので、17010円で済んでしまいました。
予算から「万魔殿」を差し引いても、まだ1800円近く余っています。
「それにしても、カッコいい携帯だな…」
何度見ても惚れ惚れするような、がっちりした携帯です。
そして、中にはあの携帯のデータもしっかりと受け継がれています。
この機種もぼろぼろになるまで使ってやろうと胸に誓い、家路へと付きました。

*1:犬狼伝説」に登場する巽志郎の座右の銘。「ケルベロス騒乱」の際に死地に赴いた巽を思い、友人の室戸文明がそう呟いていた。