仮面ライダー響鬼 三十一之巻「超える父」

えー、先週は突然の事で取り乱してしまいましたが、今週からは感想を再開していきます。
先週は妙に鼻に付く転校生「桐谷京介」が明日夢と家に帰る途中に魔化魍に襲われ、そこへ助けに入った響鬼さん達を目撃してしまう、というものでした。
この件で響鬼を「父さん」と呼んで興味を持ち始めてしまう京介ですが、消防士だった彼の父とは何の接点も無いような気がするんですけど…。
ちょっと展開的に無理がありますかね。


その後、京介は持田から「たちばな」の場所を聞き出し、再びヒビキさんに接触してきます。
しかも「何でも良いから僕と勝負してください」といきなり宣戦布告を仕掛けてくる始末。
こいつは魔化魍戦後も明日夢に「君は父親に会ったことがあるのか? 男は父親を超えなければならない。それをしていない君は逃げてるだけだ」なんて、心の踏み入れてはいけない領域に土足でズカズカ上がり込んでくるような真似をするから好きになれません。
本当にデリカシーが無いっすね…。
で、この事を気にした明日夢は父親に会いに行く事を決意し、母親から住所を教えてもらいます。
どうやら安達夫妻は生活のすれ違いで離婚してしまったようですね。
実際に明日夢は父に会いに行く度にすれ違ってしまい、なかなか出会う事が出来ませんでした。
まるでサマルトリアの王子*1を仲間にする時みたいでしたが、この辺は夫婦の離婚原因を再現していて上手いと思います。


で、とうとう追いつくことが出来たわけですが、そこは父が新しく持った家族と外食をしている場面でした。
どんなに忙しくても家の事を考えている父を見る事が出来た明日夢は、彼に会わずにその場から去って行きます。
その後明日夢は父の家の隣家で、彼が作りかけにしていた犬小屋を完成させて帰っていきました。
これが彼に出来る唯一の「父を越える」っていう事だったんでしょう。


一方、ヒビキさんは再び火車との戦いに赴きます。
無論それに京介も勝手に付いていき、再び遠目から戦いを観察しだしました。
段々季節外れ感が強くなってきた「響鬼紅」に変身したヒビキさんは、これまた何故か炎の魔化魍相手に「爆裂真紅の型」を叩き込んで撃破します。
やっぱし細かいところで無理が見られるように思えますが、まぁ無事に撃破出来たんですから文句は言いっこ無しでしょう。
しかし、その後京介は「響鬼…。お前はいずれ、俺の物になる」と言い残して去って行ってしまいます。
…こいつ、図々しい上にホモなんでしょうか?
どんどんヤバイ奴になっていくような気がします…。


そんで、今日の放送はここで終了しました。
脚本家やプロデューサーが交代したりで色々不安が生まれたりもしましたが、とりあえず全体の流れを見る限りでは駄作に成り下がるような事にだけはならないようです。
むしろきださんでは書けなった「安達家の問題」や「ヒビキさんとの関係発展」を見事に作ってくれたので、そこが高ポイントな部分でしょう。
しかし、「威吹鬼の弱体化」や「ムカつくキャラクターのレギュラー確立」など、まだ不安があるのは確かです。
このまま威吹鬼の件は「三原デルタ化」*2に繋がり、京介が「草加化」*3してしまえば、最悪の場合555と同じに展開へなだれ込んでしまう事も在り得るでしょう。
あの再現だけは勘弁していただきたいものです。
それと、ヒビキさんのキャラがちょっとづつ変わって来てるのも見落とせない事実でしょう。
明日夢少年が父親に会いに行くか相談してきた時も「悩むぐらいなら会ってみれば良いじゃん」みたいな返しで、思いっきり違和感を覚えました。
もっとヒビキさんは少年の成長を自発的に促す「導く人」であって、答えをほいほい教える人では無かったと思うんですが…。
まぁ、視聴者の身分ではどうする事も出来ない問題なので、後は見守るしかありませんな…。


ちなみに今回マジレンジャーは完璧に見逃してしまいました。
なので、感想はお休みです。
申し訳ない…。

*1:ドラゴンクエスト2に登場する仲間。主人公のローレシアの王子が彼の後を追う度にすれ違ってしまう展開は有名。ちょっとムカついたプレイヤーはオレだけでは無いはず。

*2:デルタとは仮面ライダー555に登場した「仮面ライダーデルタ」の事。鳴り物入りで登場し、その圧倒的な強さで視聴者を一気に惹きつけたが、「三原修二」がデルタドライバの使い手として確立してからは急激に弱体化してしまった。この事を「三原デルタ化」と言う。ちなみにデルタは劇場版には未登場だったので、とことん恵まれないライダーだったといえるかもしれない。

*3:草加とは仮面ライダー555に登場した「草加雅人」の事。傲慢で自分勝手なキャラクターだった為、劇中でも一番のトラブルメーカーだった。これが原因で作品中で問題をよりややこしくしてしまう人物の事を「草加化している」と表現するようになってしまった。ちなみに草加は「仮面ライダーカイザ」に変身する重要人物だったが、最終回1話前で死亡してしまい、結果としてカイザドライバは「ホースオルフェノク」である木場勇治の手に渡ることになってしまう。更に劇場版では早い段階で死んでしまい、代わりにTV版では全く変身出来なかった「菊池啓太郎」が変身し、かえって見せ場を与える事となってしまった。結局この立場のキャラは引き立て役の域から出られないようである。