オレがヤクザであいつがワルで

一夜明けて、母親が加害者のスケボーおじさん一家と再び会ってきました。
ちらっと見た限りでしたが、おっさんは茶髪で腕に刺青とかも入れていたので、チャラチャラした悪い人なのかと思って色々心配だったんですが、実際はただのサーファーで悪い人ではなったようです。
それどころか向こうはウチの親父の事をヤクザだと思っていたそうなので、昨日はどんな報復をされるのか恐ろしくなって夜も眠れなかったんだとか。
…いやね、確かに親父は頭も眉毛も薄くなってブルース・ウィリスみたいな迫力を湛えるようになってしまったんですが、ヤクザと間違えると言うのはいささか早とちりし過ぎではないかと。
第一そんな任侠の道を行くような人が親子3人仲良く自転車でミスチルのライブなんて行きゃませんしね。
で、そんな事を母親に話してみたら何とおっさんが勘違いした理由はこれだけでは無かったという事が判明しました。
実は数日前に、親父はあの近所で行われていた灯篭流しで売店の売り子の手伝いをしていたんですが、それをおっさんがたまたま見ていて、テキ屋だと勘違いしていたんだそうな…。
いや、もうここまでくると笑い話以外の何でも無いんですけど、本人にとっては命に関わるような問題にまで発展していたようで、事実が分かってほっとした途端思わず泣いてしまったんだそうです。
で、母親の傷も縫うほどでもない様な軽いものでしたし、相手の人柄も分かったと言うことで示談となり、全ては万事円満に解決という事になりました。
…が、おっさんはそれでもまだビビッていたらしく、最後まで「本当にこれで大丈夫なんでしょうか…」と言い続けていたんだとか。
ここまで来るとどちらが被害者なのか分かったモンじゃないですけど、まぁこれでスケボーにも懲りてくれると思うんで良しとしましょう。
とりあえず身内ながら母親の「人間いつ向こうみたいな加害者の立場になるか分からないんだし、相手の身になって気遣ってやらなきゃ。そうしたら自分の時にきっと返って来てくれると思うし」という言葉に感心したので、オレも大人の対応が出来る人間にならなきゃ駄目だなと思いました。
事故は本当に怖いんで、気をつけたいものです。

余談

親父があっさんにヤクザだと間違われたって事は、傍にいたオレはもしかしたら舎弟のチンピラか何かだと思われたんでしょうか。
だとしたらちょっとへこむな…。
母親は示談にしてましたけど、オレと親父は名誉毀損で訴えますかね。
いや、冗談だけど。