ノーマルデイズ 地獄の例大祭編・後編 〜夏コミ、覚えていますか?〜

動かない深夜バス

現在時刻は朝の4時30分。
結論から言うと、全っ然寝れませんでした。
1時間ぐらいは寝れたのかもしれませんが、後はもう軽く意識が覚醒しっぱなしでしたよ。
きっと「水曜どうでしょう」の深夜バスの旅とかもこんな感じだったんでしょうね。
で、災害の発生源である相楽の方ですが、未だにいびきをかき続けています。
こりゃ今日の例大祭は元気一杯で駆け巡れるでしょうね。
なんかオレは今から既に負けそうです…。
はぁ…。

命の洗濯を

あれから30分経って、集合予定時刻の5時となりました。

オレ:おい、相楽起きろ。時間だ。
相楽:…ん? はい…。


ようやく騒音も止んだ所で、顔でも洗おうと思いましたが、何やら頭に違和感があります。
ちょっと触ってみると、頭髪が全て逆立っていました。
…まぁ、昨日髪を乾かさずに寝たからなぁ。
仕方ないんで、急いで濡らして元通りにする事にします。

オレ:おい、相楽。ドライヤー貸してくれ。
相楽:ありませんよ。


…は?
今何とおっしゃいましたか?

オレ:ドライヤー…、無いの?
相楽:ええ、自分は髪が短いので使いませんから。


こ、こいつはまた盲点だった…。
まさかドライヤーが備え付いていないとは。
仕方ないんで、それはワッツに持ってきてもらう事にして、自分はさっさと髪を何とかする事にしました。

オレ:うわぁ、これは酷い…。


鏡に映る自分の姿は、まさに深夜バスにやられたような顔でした。
それに加えて頭髪の爆発と来たモンです。
こりゃ「どうでしょう」どころの騒ぎじゃありません。
このままじゃ本当に例大祭に行けないぞ、マジで。
慌てて顔を洗って髪を濡らし、寝癖を元通りにしたところでワッツが到着しました。

ワッツ:はいこれ、ドライヤー。
オレ:サンキュー。マジで助かった。


髪を乾かし、ようやく元の自分の姿へと戻ります。

ワッツ:それにしても、ドライヤーが無いってのはオレも知らなかったな。
オレ:ああ、思いもしなかったわ。
相楽:あの、ドライヤーが無いってのはそんなに変な事ですか?
オレ:…多分家に掃除機が無いぐらい変な事だと思う。


とりあえず二人の部屋に滞在してみて分かった特徴ですが、まとめるとこんな感じですかね。

  • 相楽
    1. 部屋は広い
    2. 相楽のいびきがうるさい
    3. ドライヤーが無い


次来る時はこの辺りに気をつけて、宿泊地を決めようかと思います。

出陣

朝食は道すがらに取ると言う事で、さっさと出発する事にしました。

ワッツ:今日は昨日使ったのとはまた別の路線の電車を使って行くから。
オレ:了解。


道に関してはさっぱり分からないので、余計な口は挟まずに二人についていきます。
しばらく歩くとワッツの言う駅が見えてきました。

相楽:ご飯もこの近くにあるなか卯で取りましょうか。
ワッツ:そうだね。
オレ:ああ、オレも何でも良いわ。


なか卯に入り、早速納豆定食を注文します。
が、正直言ってあまりお腹は空いていません。
昨夜の睡眠不足もありますが、やはり例大祭へのプレッシャーが大きすぎて何も喉を通らないのです。
…しかし、飯はちゃんと食って来いと幻想郷作法乃心得にも書いてあったので、我慢して飯を胃に流し込みます。
そして全てを平らげた後、隣のコンビニで飲み物を買って駅へと入りました。

現実なんてそんなモン

電車に乗り込むと、これから通過する駅などが搭乗口に一覧で描かれていました。
その中には「新浦安駅」や「舞浜駅」の文字が。

オレ:おお、スゲェ。マンガやアニメで見た地名が結構あるぞ。
ワッツ:ああ、そうかもねぇ。


これは精神的に良い気晴らしになるんではないかと思い、期待して駅への到着を待ってみました。
で、まずは新浦安駅です。
浦安と言えば「浦安鉄筋家族」で有名な地名でございます。
下町を思わせる風景が一面を埋め尽くしているんだろうと思ったんですが…。

オレ:…あれ? 何かコンビナートみたいだけど?
相楽:ええ、浦安は港の周りが栄えてますよ。


という事で、何か想像していたのと真逆にあるような風景しかありませんでした。
どうも近代的過ぎるな…。
でもここで近代的であるならば、きっと次にある舞浜駅は想像通りなんでしょう。
何てったって舞浜は「ゼーガペイン」の舞台となった街ですからね。
きっとアルティールとかが飛び回ってもおかしくないような夢の光景が広がっているのでしょう。
そんな期待を込めつつ、電車は舞浜へと到着します。

オレ:おお、ここが舞浜サーバーか!?


高層ビルが立ち並ぶ、海の美しい風景が目の前に広がる事を期待していましたが…。

オレ:あ…れ? ディズニーランドしかみえないけど…?
ワッツ:ああ、舞浜はディズニーの最寄り駅だからね。


何だよ、舞浜は違う意味で夢の国なんじゃねーかよ。
期待して損したな…。
というわけで、アニメやマンガで見た風景ってのは全く当てにならない事がビッグサイトに到着するまでによーく解りました。
現実なんてそんなモンなんですね…。

私は帰ってきた

舞浜を抜けると電車は程なくして乗り換えをする新木場駅へと到着しました。
そこで降り立ち、りんかい線に乗って東京国際展示場駅へ。
そしてそこからビッグサイトまで少々の道のりを歩きます。
周りにはどう考えても例大祭へ参加すると思しき連中ばかり。
それが大量に、同じ方向へと歩いていきます。
時刻は朝の7時半。
こんな朝早くにこれだけの人数が居ると言う事は、相当やばい事なんじゃないでしょうか?
早くも胃が痛くなってきましたが、それが杞憂ではないと言う事はあの光景が語らずも姿で教えてくれました。

オレ:…出やがったな、この野郎。


曲がり角を抜けると、そこにあったのは7年前と変わらずに佇む東京ビッグサイトのお姿でした。



そして、目に映るパンデモニウムの周囲にはあの夏コミの時と何ら変わり無い人の波が群がっています。
それを目の当たりにして、オレは深く息を吸い込み、こう思いました。
ビッグサイトよ、私は帰ってきた、と。
この場が変わらない面影を宿している今、真に願うのは「あの時と結末だけは違っていて欲しい」という事だけでした。

7 years later

7年前、自分がここで見たものは地獄絵図でした。
夜中に誘導されるがまま延々と歩かされ、途中で目的地の違うワッツと離れ、そのまま駐車場で野宿し、ようやく場内に入れても物凄い人の波で揉みくちゃにされるという有様。
これに耐えかねたオレは目的の物を手に入れてすぐ、職員用通路を使って逃げるように外へ脱出するという最悪の思い出ばかりを作ってここを後にしてしまいました。
もう二度と戻ってくる事は無いと思っていた東京ビッグサイト
そこに「東方」という新たな趣味を抱いて、オレは再び舞い戻ってきてしまいました。
ビッグサイトを目にした今、この7年の間の様々な記憶が走馬灯のように脳内を駆け巡っていましたが、そこにワッツの声が割って入ります。

ワッツ:じゃあ、オレちょっと他の人と一緒に入る約束があるからここで別行動取るわ。
オレ:え?


そう言って、奴はさっさとオレ達の下を離れていきました。
…これって7年前と何も変わらねぇじゃん。
何か早くも雲行きが怪しくなってきてしまいました。

レイニー・メリー・ゴー・ラウンド

雲行きが怪しくなってきたのは7年前の再現となりつつある現状だけではありません。
実際に空も雲が多くなってきて、今にも雨が降り出しそうです。
大量の人が並ぶ列の最後尾に行き着く頃には、既にぽつぽつと雨粒が頬に当たり始め、10分も経つ頃には本降りとなってしまいました。
幸いオレは折り畳み傘を持参していたので、それを広げて相楽と雨を凌ぎます。
しかし1時間経っても列が進む気配は無く、ずっと雨に打たれつつ立ちっぱなしという状況を強いられる事となってしまいました。

オレ:…段々バッグに雨が染み込んできたな。
相楽:自分は足が限界です…。


とうとう相楽が音を上げ始めてきた頃、一通の電話が携帯に掛かってきました。
発信者は途中で別行動を取ったワッツです。

オレ:もしもし?
ワッツ:おうwww 何かもうw 状況が酷すぎて笑っちゃうよwwwww


い、いかん…。
何か受話器の向こうのワッツは精神に異常をきたし始めているぞ…。

オレ:おい、しっかりしろ。そっちの状況はどうなってるんだ?
ワッツ:多分そっちよりは後ろに並んでると思うけど、もう雨が酷すぎるwww 今までの例大祭で一番最悪だわwwwww


おお、第1回から参加している古強者のワッツがそこまで言うとは…。
今回のこの状態はそうとう酷いんだな。
事実ワッツが原付ベトナム第1夜のミスターみたいになってるし。*1

オレ:…まぁ、あれだ。もう少しで状況も動くだろうから、頑張ろうぜ。
ワッツ:おうwww


そう言って電話を切りましたが、今の時刻はまだ9時になったばかり。
気休めでさっきのような事を言いましたが、実際は開場までまだ2時間もあります。
こんなんで本当に大丈夫なんでしょうか?
小さな傘で懸命に耐え忍ぶ我々に、天は容赦なく雨を降らせ続けていました。

ルート設定は計画的に

さて、待っている間は暇なので、今のうちに今回の目的を再確認しておきます。
まず真っ先に手に入れたい物はやはり本家東方の最新作「東方地霊殿」の体験版です。
公式サイトでのダウンロードが始まる前に一足早く遊べるのは、ファンとしてこれ以上無いぐらい嬉しい事ですからね。
自分のプライドに賭けてでも手に入れたいものです。
で、その他には大沖先生の新作同人誌に、とらのあなの企業ブースで販売される「あたいチルノ」のフィギュアと、後は各サークルの新作東方アレンジCDでしょうか。
その他は状況を見ておいおい手にするという事で。
…ただ、こうして計画を練っていてもこれだけの人の波を掻い潜って目的地へと移動するのは至難の業なんでしょうな。
少しでも状況が良い方向に転んでくれる事を祈りたいものです。

濃い色マスタースパーク

9時30分頃、突然誘導が始まり、オレ達の並ぶ列は西館付近へと移動させられました。

係員:東方新作の体験版を目的としている方は右手へと移動してください!


自分達は体験版目当てなので、とりあえず右へ。
で、そこでまたしばらく待たされる事になりましたが、待っている間に恐ろしい物を見てしまいました。

オレ:な、何だあの男!? 魔理沙の格好してるぞ…!


それは魔理沙のコスプレをした係員さんでした。
ま、まさか今回のイベントで初めて見るコスプレがこれになるとは…。
何か幸先悪すぎです。
きっと中にはこういう方々が一杯犇めいているんでしょうな。
かますます気が重くなってきます。

心臓がプライベート・スクウェア

列も再び動き始め、徐々に目的の体験版が配布されている上海アリス幻樂団のスペースに近づいてきました。
しかしそれと比例して不安も段々と大きくなっていきます。
もし自分たちの手前で体験版が売り切れてしまったらどうするんだろう、と。
折角これを目当てに東京くんだりまで来たのに、目当ての物が手に入らなかったら旅の目的の半分ぐらいが一気に駄目になってしまう訳ですからね。
何時に無くドキドキしながら列を進んでいくと、突然係員さんが大声でアナウンスを始めました。

係員:皆さん、申し訳ありません!


この台詞を聞いた時、周りに居た全ての人間が声を失いました。
「申し訳ありません…って、まさかもう体験版が売り切れたのか!?」と、思ったからです。
一瞬、絶望の色が胸を支配しましたが、次の係員の言葉で一気に凍りついた周囲の人達の心が氷解します。

係員:列が大きくなってきたので、ここから1列に戻ってお並びください!


結局係員は誘導がしたかっただけで、体験版が売り切れた旨を伝えに来たわけでは無かったのです。

オレ:お、脅かしやがって…。
相楽:心臓に悪すぎですね…。


ほっと胸を撫で下ろした後、再びオレ達は列を進み始めました。

神様の本陣へ

長い長い行列を抜け、とうとう上海アリス幻樂団のスペースまでやって来ました。

係員:体験版のスムーズな受け渡しが出来るよう、お賽銭を300円用意してお待ちください!


なかなかに上手い事を言う係員さんの言葉に従い、財布から300円を取り出してスペースに入ります。
するとそこには巫女の格好をした方やメガネの方が体験版を配っていました。
早速巫女さんに300円のお賽銭を渡し、代わりに1枚のディスクを受け取ります。

オレ:やった…! ついに念願の体験版を手に入れたぞ!!



喜び勇んで上海アリス幻樂団のスペースを後にしましたが、そこで相楽がある衝撃的な事実を話してきました。

相楽:斎君見ました? 神主がいましたよ。
オレ:え?


神主って言うと…、あの東方の生みの親のZUNさんの事か!?
ちょっと待て、よく考えてみればこのスペースに神主が居る事は至極当然の事。
となるとさっきのあのメガネの方が…!

オレ:しまった…!! 巫女さんばっかり見ててちゃんとお顔を拝見しなかった…!
相楽:ちょwww


くそー、一生の不覚だったが、それでもちょっとは見たからこれで良しとしとくか…。
とりあえずその他にも回るところはあるので、さっさと移動を開始する事にしました。

地獄絵図、再び

オレ:な、なんじゃこりゃ…!?


相楽と別れ、自分の目的の場所へ進もうとしたオレの目に飛び込んできたのは会場を埋め尽くす人間の大海嘯でした。



その光景は否応無く7年前の夏コミを想起させます。
人と人の狭間に押しつぶされる、あの過酷な記憶を…。
…しかし、行かなくては。
ここまで来た以上、引く事など許されません。
会場の地図を片手にアレンジCDが販売されている場所へと向かおうとしますが、横から来る人に飲まれて全くスペースへと近づく事が出来ません。
どんどん人の波に流され、目的地からは遠ざかるばかり。
そんな状況に心が揺らぎ始め、段々と頭はここから逃げ出す事を考え始めます。


…もう体験版は手に入れた。
最低限の目的は達成したんだ。
だったらもう帰ろう。
ワッツの家でこいつを遊んで、一足早く最新作の内容に触れた優越感に浸って、そして宮城に戻ろう。
CDなんて、帰ってきてから委託で買えば良いじゃないか…。


そしてその人の波に揉まれるまま出口を探そうと視線を泳がせ始めましたが、ここで突然脳裏に7年間の記憶が過ぎりました。
ここに来るまで、オレはあれほど苦手だった夏コミの空気を漂わせ続ける同人ショップへ通いつめ、東方のアレンジCDを買い続けてきました。
最初は店内に入っている間、プレッシャーから来る冷や汗が止まらずに苦労しましたが、今では平然と店内を見て回れるぐらいになっています。
そして今まで聴いてきた東方アレンジのお陰で原作の良さもより解る様になり、その楽しさから自分はここへと出向いたのでした。
だから、ここで逃げたらオレは体験版以上の目的を果たさずに帰ることになってしまいます。
そして恐らく、そんな事をすれば一生後悔する事になるでしょう。


何を思うでもなく、人波に逆らうように足を地に打ち付けます。
そして、オレはそのまま人波を掻き分けるように大量のアレンジCDが待つスペースへと動き出しました。
まだ見ぬ音楽に、オレは出会いたい。
ただその本能だけに従って…。

餃子は売っていないらしい

オレ:つ、着いたぞこの野郎…!!

やっとの思いで東方アレンジのサークルが密集する場所に辿りつきました。
後は片っ端から各サークルのスペースを巡って、CDを買わせて頂くだけです。
まずは以前から目をつけていた「餃子屋本舗」さんの所へ行きます。
ここは二胡という中国の楽器を使用したアレンジをするサークルさんです。
ニコニコで「おてんば恋娘」のアレンジを聴いた時に一発で惚れてしまったので、もし来れたら絶対CDを手に入れたいと思っておりました。


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オレ:すいません。新作と…、あとこれも一つお願いします。
売り子さん:はい、ありがとうございます。


旧作の「東方二胡小曲集」と新譜の「東方二胡2」を手に取り、1000円を支払ってこれ等を手に入れました。

売り子さん:あと、これもどうぞ。


そう言われて、オマケで「餃子がうまいうまい通信」というミニコミも頂きました。



こういう手作りの持て成しがあるから会場販売って良いですね。
委託より価格も安いですし。
これは他のサークルさんも期待できるので、早速次へと行ってみましょう。

スカーレット・フォックス

お次はふと目に止まった「狐の工作室」さんという所にやってきました。
ここでは「東方幻想界 〜紅魔境の音〜」というCDをゲットです。




何かジャケットの咲夜さんがやたらとカッコ良いんですが、どうやらその激しさとは打って変わって内容はオーケストラアレンジだそうで。
戻ってきてから如何な物なのか、じっくりと聴かせて頂こうと思います。

巫女しか見てないわけじゃない

アレンジCDコーナーも辿り着いてしまえばそれなりに見て回れるものの、やはり人の波は常軌を逸するレベルではあります。
なので基本的に流れに任せつつ気に入った物があれば立ち止まるという方式を取っていたんですが、ある瞬間にそれにぶち当たりました。
何と売り子さんに気合の入った脇巫女の衣装を着た方がおられたのです。
さっきの魔理沙の影響もあり、口直し的にちょっと足を止めてみたら…

脇巫女:どうぞー。


と、声を掛けられてしまいました。
こうなったら仕方ないので、ここは男らしくCDを手に取る事に。
で、手に入れたのがこちら、C-CLAYSの「幻想天舞」です。



勢いで買った物の、何かジャケも良さ気な感じですね。
それとこちらでも特典としてスティックポスターを頂きました。



やたらと椛の絵がカッコ良いんで、何か脇巫女に釣られて良かったような気がします。
で、でも自分は別に脇属性とかあるわけじゃ無いんだからね!
いや、本当にコスプレとか見る機会が無かったから新鮮だっただけですよ。
マジで。

何故か変換出来ない

お次はこれまた以前からチェックしていた絃奏水琴樂章さんの所へお邪魔する事にします。
ここはニコニコでオルゴールアレンジを聴いて興味を持った次第です。


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残念ながら今回はそのオルゴールアレンジは販売されていませんでしたけど、新作やら旧作やら試聴版やらを手に取らせて頂いてスペースを後にしました。



いつかまたオルゴールアレンジを出してくれたら良いなぁ…。

黄金幻想郷

続いて訪れたのは「El Dorado」さんです。
ここで売られていたCDは何と1枚300円。
あまりにも安かったので、新作と併せて古いのも買ってしまいました。
更にオマケで次回作の試聴版である「Silent Spirit」まで貰っちゃいましたよ。



これ作るのもタダじゃないだろうに、粋な事してくれるもんだ…。
新作が出たら、また買わせて頂きましょうかね。

ここならではの物を

ここまでは委託でも買えそうな物ばかり手にしてきましたが、折角こういう場所まで来たのでここでしか買えなそうな一品もちょっと買ってみようと思います。
で、目に付いたのがBamboo Riverさんです。
ここで売られていた「東方狂月華」はジャケットも手作りの味わいがあり、CDも手焼きっぽいです。
なのにきっちりボーカルアレンジも収録している上にお値段は100円と来たもんです。
他じゃ買えなさそうですし、この価格なら手を出す価値は大いにあります。
というわけで1枚買ってみましたよ。



ジャケ違いで二種類売られていましたが、今回はカラフルな方をチョイスしました。
帰ってから聴くのが楽しみです。

バッグ・トゥー・ザ・フューチャー

さて、今の所回りたい場所の3分の1は巡った感じですが、ここまで移動してきて自分の装備のとある難点を発見しました。
それはリュックが邪魔な事です。
見ると周りの方々は背負うタイプのバッグではなく、ショルダータイプで来ている傾向が多いみたいですね。
考えてみればこれだと買った物を仕舞うのも楽ですし、移動の妨げになったりもしないので便利そうです。
…というか、よく考えればワッツもショルダーで来てたような。
もっと色々アドバイス貰っとくべきでしたね。
次回から気をつけよう…。

ここから大御所巡り

さて、一区画をぐるっと回った所で、そろそろこの例大祭の本命とも言える方々の所へお参りしようかと思います。
まずは「東方M-1ぐらんぷり」で一世を風靡したいえろ〜ぜぶらさんのスペースへと大移動します。
流石に人気サークルだけあって行列もかなりの物です。
が、その分売り子さんも多いので列が進むのも早い早い。
お陰であっという間に自分の番が回ってきました。

売り子さん:こちら特典になりますので、どうぞ。
オレ:あ、はい。


まだ会計もしていないのに、いきなりオリジナルの紙袋をゲット。
そして更に会場限定の「おまけCD」も手に入れてしまいました。



いえろ〜ぜぶらはオマケが豪華だと聞いてはいましたが、まさかここまで太っ腹とは…。
スゲェな。
何か嬉しかったので当初買う予定だった「東方絢彩歌」と併せて、同時発売だった「東方ASSOCIATION」も買ってしまいました。



オマケCDも何が収録されているのか楽しみだし、この紙袋も買った物を入れておくのに便利なので一挙両得ですな。
もっと早めにここ来りゃ良かったよ。
よし、新しい装備で次に回りますか。

クールなビートに酔いしれろ

お次は石鹸屋に行こうかと思ったんですが、やはりその前に行っとくべきなのはCOOL&CREATEのスペースだろうと個人的に判断したので、先にこちらへ行く事にします。
COOL&CREATEと言えばビートまりおさんです。
オレが東方アレンジを語る上でも欠かせない方なので、ここの新作は是非抑えたいと思ってこっちを優先した次第です。
ニコニコでこの人の歌を聴いた時の衝撃は凄かったからなぁ…。
と言うわけで早速列に並び、自分の順番が来るまでしばし待つ事に。
今回の新作はどんなんだろうなーと思いつつ進んでいくと…

???:次の人どうぞー。


と、呼ばれたのでスペースの中まで進んでみました。
するとそこで売り子をしておられたのは何と、ビートまりおさん御本人で御座いました。
ほ、ほ、ほ、本物!!?
あまりの事に頭の中が真っ白な状態になってしまった物の、何とかして新作を買い求めます。

オレ:し、新作を1枚…。
ビートまりおはーい。お釣り細かいけど良い?
オレ:は、はい!


100円玉で500円分のお釣りを頂き、更にまりおさんから直接CDを手渡してもらいました。



ついでに言うと、お釣り貰う時にちょっと手触っちゃったよ。
こんな名誉な事は無いね、本当にマジで。
これだけで東京まで来た甲斐があったってもんだ。
大興奮のままでここのスペースを後にしましたが…

係員:誠に申し訳ありません! 石鹸屋のCD完売しました!!


もたもたしている間に石鹸屋の新作が売り切れてしまいました。
…まぁ、でも良いか。
まりおさんに会えたし。
ちょっと残念だったものの、ホクホク顔で次のスペースへと向かいましたとさ。

ここから残念なお知らせラッシュ

お次はSOUND HOLICのスペースに向かいましたが、ここはあっという間に売り切れたようで、もう片付けに入っちゃってました。
更に大沖先生のスペースも完売したようで、ダンボールにチルノの落書き付きで「売り切れ」の文字が。
おまけにとらのあなの企業ブースも品物を全部裁いてしまったようで、「あたいチルノ」のフィギュアまで買えませんでした。
うーん、やっぱ例大祭は伊達じゃないな…。
もっと効率の良い回り方をするべきだったかもしれん…。

銀の森まで連れてって

さて、気を取り直して次はSilver Forestのスペースへと向かいます。
シルフォレも自分が東方アレンジを語る上で欠かせないサークルさんなので、例え売り切れていたとしても回らずにはいられません。
まだ売り切れていないかなーと思いつつ恐る恐る覗いてみると…

オレ:お、まだあるっぽい。


どうやら新作はまだ残っていたようなので、オレも列に参加します。
そしてとうとう自分の前の人の番にまでなりましたが、何か買ってる人が売り子さんに握手までしています。
…な、何だ?
あの人そんなに凄い人なのか?
一体誰なのかと思案しているうちに自分の番が回ってきてしまったので、仕方なく普通に買う事にします。

オレ:すいません、新作を1枚。
???:あ、はーい。


売り子さんはCDを見繕って渡してくれようとしますが、その間にも自分はこの人が誰なのかとずっと考えていました。
アレンジャーさん?
それともボーカルの方か?
だとするとまさか…、この方がさゆり姫だったりするのか!?

???:どうぞー。
オレ:あ、はい。ありがとうございます。


しかし結局確認する手段も無く、そのままCDを受け取って銀森のスペースを後にしてしまいました。



…い、一体誰だったんだろう、あのお方は。
同人業界は歌い手もアレンジャーもお顔を拝見する機会が極端に少ないので、事前に調べる事が難しいんですよね。*2
銀森は好きなサークルだけに、色々とモヤモヤが残る結果となってしまいました。
うーん、「頑張ってください」ぐらい言っておけば良かったかな?

大御所の価値は

さて、最後はIOSYSの所へ向かいます。
イオシスはその筋でもナンバーワンと言って良いほど人気がある所なんで、ここも売り切れてるんじゃないかと心配しましたが、まだまだ普通に売ってました。
やっぱ大御所ともなると在庫の数も違うようです。
というわけで早速買うことにしました。

オレ:えーと、新作3枚とも下さい。
売り子さん:はい。合計で3500円になります。


…ん?
何か会場販売の割には随分高いような?
普通委託で1500円するようなCDは会場だと1000円ぐらいで販売してくれるはずなんだが…。
うーん、大御所ってのはこういう所も違うのか?
でも折角なんで3500円を支払って新作を3枚とも手に入れます。




さて、これで大体の買い物は終わった事になります。
後はもう少し会場を流されまくって、目に付いた品を適当に物色しますかね…。

7年前を乗り越えて

その後も色んなサークルを回って同人誌などを手に取り、紙袋に仕舞いつつ渡り歩いてきましたが、流石にこの辺が限界かと思ったんでそろそろ帰る事にしました。
出口はどこかと思って屋外に出ると、そこにはまた長蛇の列があって出れそうにはありません。



仕方なくまた中に戻ろうかと思った所で、列に並んでいた方がオレを見て声を上げます。

並んでる人A:あ、あの人「いえろ〜ぜぶら」の紙袋持ってる!
並んでる人B:本当だ。良いなぁ…。


それを聞いて、何かちょっと優越感が湧いてしまいました。
そして同時にその時、自分の心の中を占めていた感情が「楽しい」物だと気づきます。
きっとこれは、この7年で培った物が決して無駄ではなかったという証拠なのでしょう。
…こいつはきっとワッツや相楽に良い報告が出来るな、と思いつつ、オレは再び出口を探し始めました。

決して駆けず、逃げ出さず

その後、何とか無事ホールまで辿り着く事が出来ました。
道中で八雲一家のコスプレをしている人を見かけたり、人波で酔ったのかすっかりグロッキーになったりしている人を見かけ、会場の悲喜交々な姿を垣間見る事が出来たように思います。
と、言っているうちにようやく外へ。



外の方も、相変わらず凄い人の数でした。
ひとつの作品のイベントでこれだけの人間が押し寄せるってのは、改めて考えてみると凄い事ですな。
東方Projectの存在の大きさってのを、ここに来てようやく理解できた気がします。

約2時間ぶりの再会

外に出ると電波状況が良くなったのか、一気に大量のメールが携帯に飛び込んできました。
その中には相楽からの連絡も入っています。
現在の状況が知りたいという事だったので、電話で報告する事にしました。

オレ:あ、もしもし相楽?
相楽:はい。今の所そちらはどうなってますか?
オレ:もう外に出たよ。そっちは?
相楽:こちらも今、ビッグサイトの外のマックの付近に居ます。
オレ:じゃあ、そこで落ち合うか。
相楽:了解ですー。


というわけでマックへ。
その近辺まで行ってみると、あっさりと相楽が見つかりました。

相楽:お疲れさまでした。収穫は…あったようですね。


相楽はオレの手に持つ紙袋を見てそう言ってきました。

オレ:おう。見てくれよ、このCDの数を。大漁だったぜ。
相楽:ほう…。これは凄い収穫ですね…。


オレも改めてみる今回の収穫物に思わず口元が緩みましたが、同時にある男の姿が無い事に気づいて顔をしかめます。

オレ:そういやワッツは?
相楽:あー、さっき我妻君に連絡入れてみたんですけど、通じないんですよ。きっとまだ中に居るんじゃないかと…。


何だよ、行きも7年前の夏コミみたいだと思ってたけど、帰りまであの時と一緒かい。
仕方ないので、その辺で座って奴からの連絡を待つ事にしました。

相楽:折角ですから、マックで何か食べますか?
オレ:いや、何か気持ちがいっぱいいっぱいでまだ腹が空かないな…。


どうにもまだ興奮冷めやらぬという感じで、胃が食べ物を受け付けません。
帰る頃にまで腹が減れば良いな…、と思っていると相楽の携帯に着信が来ました。

相楽:お、我妻君からですよ。
オレ:奴も無事だったか。


話によると、奴もこれからこちらに向かうんだとか。
とりあえずもう少しここで待つ事にします。

さよならパンデモニウム

程なくしてワッツもマックへとやってきました。

オレ:よぉ、収穫は?
ワッツ:ああ、欲しかった同人誌は買えたー。…って言うか、そっちは凄い収穫じゃん。
オレ:まぁな。体験版も買えたし、ビートまりおにも会えたぜ!
相楽:あの状況でここまでやったんですから、斎君は今後期待できますね。
ワッツ:うん。


一体何に期待しているのか解りませんが、ともかく相楽の部屋へと戻る事にします。
駅にはこれから戻ろうとする人が徐々に流れて来ていました。
朝ここに来た時は目に付く人が全て敵に見えていましたが、全てを終えた今となっては彼らを見る自分の目に敵意も宿らなくなりました。
むしろ今は同じ戦場を経験した戦友にすら思えます。
…これってやっぱり成長した証なんでしょうか?
ともあれ、これにてオレの例大祭は終了です。
今一度ビッグサイトを振り返り、「またここに来るかもしれない」という思いを視線に混ぜてぶつけた後、オレ達は駅へと入りました。

悟り

電車の中でとりあえずお互いの収穫物を確認します。

オレ:ワッツは体験版買ったのか?
ワッツ:いや、それは相楽も買うって言うから諦めた。オレは大沖先生の新刊とアンニュイ赤蛸ってサークルの総集本を買った。


何!?
こいつ大沖先生の新刊を買えたのか…。
それは後でちょっと見てみたいな。
でもこいつばかりは自分は手に入れるまで我慢しとくか…。
とか思っていると、ワッツはオレが抱えている物を訝しみつつ語りかけてきました。

ワッツ:…ところで、何時までその紙袋手に持ってんの?
相楽:ええ、私も気になってました。
オレ:ん、ああこれ? リュックも一杯だし、このまま手に持ってても良いかなって。どうせ周りの奴らも例大祭帰りばっかだろうしな。
相楽:…成長しましたね、斎君。


相楽の視線に少々呆れが感じられたのは、オレの気のせいでしょうかね?

4個分ぐらいかな(大きさ的な意味で)

心地よい疲れと共に、ワッツ達が住む町へと戻ってきました。
ある程度時間も経って腹も減り始めてきたので、何処かで飯にしようかとも思ったのですが、地霊殿の体験版も早くやってみたかったのでマックでテイクアウトして家で食う事に。
店内に入り、ハンバーガーが包み終わるのを待っていると、ふとあるお方の神々しいお姿が目に飛び込んで来ました。



それは子供用の椅子の背もたれに描かれたドナルド・マクドナルド様の肖像です。

オレ:教祖様wwwwwww
ワッツ:背もたれに印刷されてもセクシーでいらっしゃるwwwww


ひとしきり笑った所でハンバーガーも出来たので、それを受け取って店を出ましたとさ。

買い換えろよ

やっとの思いで相楽の部屋に到着です。
これでようやく教祖様の愛がたくさん詰まったハンバーガーを頬張りつつ、東方の新作を遊べるという贅沢なひと時にありつけるわけですが、ここである問題が発生しました。

相楽:うーん、私のノートパソコンはあまり性能が良くないので、動くかどうか…。


確かに奴のパソコンは素人目に見ても古いと分かる物でした。
昨日ジャンクショップでパソコンを見てたのはこの為だったのか…。
とりあえず実際に起動して確かめてみる事になりましたが…

相楽:あー、やっぱ駄目ですね。


結果、起動しても画面が真っ暗になって終了という始末でした。
…何でこんなのを使ってるのか分からんけど、早くパソコン買い換えた方がいいと思うぞ。

いよいよ解禁

体験版が遊べないんじゃ仕方ないという事で、場所をワッツの部屋へと移す事になりました。
中に入り、早速奴のパソコンにソフトをインストールして起動します。

オレ:お、動いた。


とうとう「東方地霊殿」の中身が明らかになる時がやってきました。
早速使用できるキャラを見てみると…

ワッツ:おお! 伊吹萃香がいるぞ!
オレ:マジか!?


萃香が本編に出る日が来るとは思わなかったので、これにはちょっと驚きました。
で、更にサプライズがもうひとつ。

オレ:な、何ぃ!? 魔理沙の方には河城にとりもいるぞ!!
ワッツ:今度はニトマリか…。


何か今作のチョイスは色々と凄いですね…。
どんな話が展開されるのか楽しみだわ。

スイレイ式プレイ

まずはワッツが霊夢萃香装備でプレイします。

ワッツ:相変わらず音楽スゲェ!!
オレ:なかなかに渋めの曲だな…。


と、神主の紡ぎ出す美しいBGMに聞き惚れそうになるものの、いきなり中ボスが登場してきたので一気に臨戦態勢に引き戻されます。

オレ:な、何だこいつ!? 桶に入ってるぞ!
ワッツ:すげぇwww 神主のセンスすげぇwwwww


本当にZUNさんの進化は止まらないな…。
で、このキスメとかいう中ボスを退けると、今度は敵の攻撃が急に激化。
序盤から有り得ないほどのラッシュを強いられているので、ワッツはのんびり出来ません。

ワッツ:ちょwww 何か今回難しくね!? 1面からあからさまに殺しに来てるよ!?


でも見てるこっちとしては楽しい物ですし、音楽もじっくり鑑賞できるので一挙両得って感じです。
それにワッツは今までのシリーズの殆どをノーコンテニュークリアしている有段者ですからね。
まだこの時点で音を上げるような事はしないでしょう。
実際ギャーギャー良いつつもボスまで来てしまいましたし。

オレ:で、こいつが今作の1ボスか。
ワッツ:黒谷ヤマメ…だって。


どうやらこいつの種族は妖怪蜘蛛のようです。
と言うか体験版のジャケの奴ですね。

オレ:体験版って1ボスがジャケを担当するもんなのか?
ワッツ:うん、そうだね。風神録では穣子だったし、永夜抄ではリグルだったし。
オレ:じゃあ妖々夢では白岩さんが!?
ワッツ:いや、確かあれだけ別なキャラだったような…? アリスか何かだっけ?


あ、そうなんだ。
白岩さんも可哀想に…。

新たな鬼

従来作より難しいとは言え、流石に1面なのでボスも難無く撃破。
ステージ2も水橋パルスィという新キャラに苦戦を強いられた物の、ワッツの腕前もあって辛勝し、いよいよ体験版ラストの3面へとやってきました。

ワッツ:うおおおお! 弾幕が大変な事に!!


襲い来るレーザーの嵐に悲鳴を上げるワッツに、更にボスの追い討ちが迫ります。

ワッツ:何だこいつ!? 鬼!?
オレ:え!? 鬼って萃香だけじゃなかったのか!?


登場したボスは一本角の「星熊勇儀」という鬼でした。
まさかの新たな鬼の参戦にオレとワッツの思考はゲームから東方の設定の方へと脱線します。

オレ:鬼って、もう萃香以外に居ないはずだったよな?
ワッツ:うん。幻想郷の外に移り住んだって言ってた。
オレ:となると、鬼が移り住んだのはこっちの世界じゃなくて、地下だったって事か…?
ワッツ:じゃあ萃香も元々は地下にいたのか…。


公式設定では鬼は幻想郷の外に移り住んだとしか言われていなかったので、世間一般では「鬼は幻想郷の外、つまり我々のいる世界に隠れ住んでいる」という認識でいたのですが、この常識が今回の地霊殿で一気に覆されてしまったわけですな。
今まで色んな同人誌でも萃香が地下にいたなんて描写はされてこなかったので、業界が騒然となる事は必死でしょう。
とか言ってるうちにワッツは勇儀にあっさり負け、ゲームオーバーになってしまいました。

ワッツ:あー、難しいわ。じゃあ次の人どうぞ。
相楽:あ、私は全然腕前がありませんので、斎君どうぞ。
オレ:え? オレ?


あの弾幕地獄に、やっぱオレも行かなきゃならないのか…。
やる前は凄く楽しみでしたが、ワッツのプレイを見てたら何か意気消沈しちゃったんですけど。
…まぁ、男は度胸って言いますから、何でも試してみますか。

ニトマリ式プレイ

ワッツ:どうせだったら、霊夢以外のが見たいな。
相楽:ええ、折角ですから違う方向で。
オレ:おい、お前ら勝手なこと言うなwww


しかしオレもさっきのワッツのとは違う状況を見てみたかったので、あえて殆ど使った事が無い魔理沙を使用してみる事にしました。

オレ:くそー、オレの地霊殿デビューが魔理沙になるとは…。


ぼやきつつも、キャラセレクトをします。
魔理沙が選べるオプションはパチュリー、アリス、にとりの3人です。

オレ:考えてみると、こっちは大半を魔法使いで固めてきたんだな。
ワッツ:パチュマリとマリアリが公式化されるのは初かも。


となるとまだ見ぬ組み合わせはやはり河城にとり、という事になりますな。
という訳で深く考えずにこいつを選択。
早速地下世界へと旅立ってみる事にしました。

オレ:うはwww 魔理沙速い速いwwww


普段から霊夢ばかり使っている自分にとって、やはり魔理沙のスピードは慣れません。
おまけにいつも使っているコントローラーでは無いので、今は完璧にアウェーの状況です。
しかしさっきのワッツのプレイを見てはいたので、何処で何が飛び出して来るのかは幾らか把握しています。
その辺の記憶を頼りにキスメもヤマメも倒し、ステージ2へ。
始まってすぐはまだ何とかなっていたんですが、パルスィが出てくる辺りから難易度が一気にアップします。

オレ:おおっ! この「グリーンアイドモンスター」ってスペカきついな!!


誘導弾に押しつぶされかけましたが、ボムを使って何とか逃げ延びます。
が、2発目は回避しきれずにゲームオーバー。
結局オレの地霊殿デビューはステージ2までで終わってしまいました。

オレ:あー、鬼まで行ってみたかったなぁ。もう少しボムの使用が身につけば何とかなりそうな感じなんだけど…。
ワッツ:ボムの練習したいなら風神録やってみたら? あれはボム前提の難易度になってるし、システムもそれに併せて大分変わってるから。


うーん、そうなのかー。
じゃあ宮城に帰ったらそれをやって練習してみるか…。

3周年でした

ひとしきり地霊殿を遊んだところで、相楽がこんな事を言ってきました。

相楽:そういえば今日で斎君のブログが3周年ですね。
オレ:え、そうなの?
相楽:ええ。だから記念企画としてこっちに来たんだと思ってたんですが…。
オレ:いや、そんな事は全く無いんだが…。


何か1年経った頃ぐらいから数えるのが面倒になって今に至ってたんですが、もう3年なんですね。
まさかそれがこのタイミングで被るとは…。
まぁ良いや、折角だし今回の例大祭は3周年記念も兼ねていたって事にしとこう。

人の振り見て我が振り直せ

あれからのんびりと時間を過ごし、とうとう仙台へ帰る支度をしないと不味い時間になってしまいました。

オレ:さて、それじゃオレも帰りますかね…。
ワッツ:もうか。
相楽:名残惜しいですね。


リュックに買ってきた物を無理くり詰め、それを背負って外へ出ます。

オレ:あ、でもいまいち東京駅の内部構造が分からないから、そこまでは送ってくれよ。
ワッツ:いや、それはもちろん。


というわけで3人で出発します。
最寄の駅まで歩いて行き、そこから電車で東京まで行く事になりましたが、ここで相楽にある問題が発生してしまいました。

相楽:あ、そういえば自分はサンダルで来てましたね…。



見ると、確かに相楽の足元はサンダルでした。
これは流石に東京まで行くのに無理があるんじゃないかと思いましたが…

相楽:まぁ、駅から出るわけじゃないんで、大丈夫でしょう。


と、あっさりこの格好での出発を決意していました。
…でもそれは流石にカッコ悪いぞ、相楽。
何か本当に大丈夫なのかなーと思ったものの、考えてみれば自分もさっきまで東方の紙袋持って電車とか乗ってたんですよね。
人の事はこれっぽっちも言えないか…。

さよなら東京、ただいま仙台

東京駅に到着してからお土産も買い、チケットも乗車券に引き換えていよいよ新幹線に乗るだけという状態になりました。
問題があるとすれば、指定席が取れなかったことぐらいですかね。

オレ:うーん、立ったままで仙台まで帰る事になったらきついな…。


こっちはろくに寝てないわけですし、例大祭でもみくちゃにもされたんで、今にも倒れそうですからね。
ここは何としても席を確保したいと思ったんですが、実際にホームまで行ってみるとそんなに新幹線を待っているお客さんは居ませんでした。

オレ:これなら何とか座って帰れるかな…。
相楽:良かったですね。


となると、ここでワッツと相楽とはお別れという事になります。

オレ:じゃあ、ここまで付き添ってもらって悪かったな。
相楽:いえいえ。
ワッツ:気をつけて帰って。
オレ:おう。またお盆に会おうぜ。


2人も疲れていたのか、挨拶も早々に家へと戻る方向へと去って行ってしまいました。
…まぁ、相楽もあの格好だしな。



あの格好


こうなるのも仕方ないか。
と、そう考えている内に新幹線がやってきました。
中に入って席に着き、バッグを抱えて発車を待ちます。
そして程なくして新幹線はホームを離れ、宮城へと走り始めました。
それを確認して安心したのか、一気に疲れが押し寄せてしまい、オレも夢の世界へと出発してしまいました。

帰宅

とっぷりと日も暮れた頃に、オレは地元の駅まで戻ってきました。
収穫物の詰まったリュックを背負い、お土産を手に持ってここまで来るのはやはり応えましたが、まだこれから家まで歩いて帰らなければなりません。
よし、と気合を入れて歩を進めます。
7年前の夏コミが終わった時の帰り道は、ただただ家へと帰りたいという一心しかありませんでしたが、今回は微妙にそれと異なっています。
確かに早く戻ってCD等を堪能したいという思いはありましたが、あの夢のような時間から覚めたくも無いという思いもあるのです。
神主に会って、まりおさんにも会えて、ワッツや相楽の家で遊べたあのひと時も、我が家の玄関を開けば一気に現実へと引き戻されてしまう事でしょう。
それがどうにも名残惜しいのです。
…しかし、夢はいつか覚めなければなりません。
明日はまた仕事が待っています。
オレが戻らなければ会社のみんなに迷惑をかけてしまいますし、何よりまた次に味わえるかもしれない夢のひと時のためにも、また頑張らないといけませんから。
やっとの思いで家に辿り着き、玄関の扉に手をかけます。
そして、それを一気に引きました。

オレ:…ただいま!


扉を開けた先に待っていたのは、既に酒を飲んで酔いつぶれていた親父と、その横でテレビを見ていた母親でした。

母親:おかえり。東京は楽しかった?


笑顔でオレを迎える母親にお土産を手渡し、オレもこう答えます。

オレ:ああ。最悪だったけど、最高に楽しかった。


その後、母親に土産話を聞かせ、ついでにさっきまでの家の状況も教えてもらいました。
親父はオレの帰りが遅い事を心配して、酔いつぶれる直前まで仙台に迎えに行くと言い張っていたんだとか。
心配してくれる事は嬉しいんですが、逆に心配になる事はやめて欲しいもんです。
でも、その気持ちだけはありがたいので、文句だけはいわないでおいてやりました。

エピローグ

風呂に入り、部屋に戻って収穫物を確認していると、リュックからとある二冊の本が出てきました。



それは雨水を吸って膨張し、擦り切れてしまった例大祭のカタログと幻想郷作法乃心得でした。
最早お世辞にも本とは呼べない物に成り果ててはいましたが、今はこれ等がどうしようも無いほど愛おしく感じられます。
きっとこれを見る度、オレは今日という夢のような一日をありありと思い出すのでしょう。
もしかしたらもう読めそうも無い状態になっているのかもしれませんが、それでもこいつを手元に残しておく事にしました。
棚にこの二冊の本を仕舞い、買ってきたCDをプレイヤーに入れ、布団に包まって手に入れた本を読み始めます。



そして、オレの心は再び
幻想の世界へと旅立つのでした…





ノーマルデイズ 地獄の例大祭編 〜夏コミ、覚えていますか?〜


*1:あの大雨の時みたいな感じ。

*2:ちなみにまりおさんはDVDとかに良く出るので顔は知っていた。