「仮面ライダー響鬼」総括

本日で響鬼が終わったと言う事で、この1年を振り返って心の中で感想をまとめてみました。
とりあえず2部に分けてお送りさせて頂こうかと思います。

響鬼前半(一之巻〜二十九之巻)

自分は「仮面ライダー剣」を1年間非常に楽しめた口でしたので、次回作である「響鬼」も心から楽しみにしていました。
Preview Issue」とかも買いましたしね。
で、待ちに待った第1話を見たんですが…、自分の想像以上に話が斬新過ぎて正直受け付けなかったんです。
だって仮面ライダーでミュージカルですよ?
バイクも出ないんですよ?
更に変身する人が30代な上に、意味不明な歌を口ずさんでたんですよ?
もう明らかに不審者だったんで、これからの1年が不安で仕方ありませんでしたよ。
…でも、2話目ではやってくれました。
少年の心を助け、怪物を退治して危機まで救うその姿を見たとき、ヒビキさんは何て凄い人なんだろうと本気で思ったものです。


とまぁ、思い出話はここまでにしまして、全体の感想なんですが…。
子供番組だからといって手抜きをしないそのクオリティの高さは、心の底から凄いと思いましたね。
特に作中で登場した名台詞の数々には唸るばかりです。
「自分を信じること、それが君が君らしくある為の第一歩なんじゃないかな」とか「転ぶ度に這い上がらなければいけないわけだから、心を強く持っていないと」とかは、子供番組でありながら大人をも学ばせるほどでしたからね。
「これを見て育つ子供たちには、本当に良い道標になるんだろうな」と思って感心したものです。
っていうか道徳の授業とかに取り上げても良いぐらいの素材だったと思いますよ。
あの万引き少年のエピソードとかは。
こういう作品が生まれてくれた事は本当に今でも嬉しいです。
…まぁ、カッコいいヒーロー番組としては微妙だったかもしれませんけどね。
でも個人的にはダイヤモンドのように輝く、素晴らしい半年間だったと思います。

響鬼後半(三十之巻〜最終之巻)

前半が自分のストライクゾーン剛速球ど真ん中だった分、新体制で新たに始まった後半には激しい拒絶反応を見せてしまいました。
しかも劇場版で既にジャブが入っていたので、ノックアウトされたショックも大きかったです。
特に京介の存在と、話の荒さには打ちのめされましたね。
「こんなキャラを出して、こんなに前半を無視したちぐはぐな話を出し続けられるんなら、明日夢もヒビキさんもイブキさんもトドロキも、みんなキャスト総入れ替えしてくれた方が楽しめたかもしれない」と考えたり、挙句には「いっその事ウルトラマンネクサスみたいに打ち切りにしてくれれば…」とまで思ったりもして、精神的に疲弊した覚えもあります。
が、明日夢が京介と共にヒビキさんの弟子になった時、「ああ、京介は明日夢をここまで連れて来る為に存在してくれていたんだな」と気付いて考え方が変わりました。
意外と後半の話も悪くない、と。
むしろ自分は悪いところばかり見過ぎいたんではないかとも思えたんです。
それからは京介も妙に憎めない奴になりましたし、明日夢が鬼とは違う道を選んだ事にもそれほど抵抗無く受け入れる事が出来ました。
お陰で今後はどんな話が来ても、強い拒絶もせずに楽しむことが出来そうな気すらしています。
今にして思うと、この響鬼後半は自分にとっての「鍛える予感」だったのかもしれませんね。
そういう意味では、この後半も良かったんだと思っています。
…ツッコミは禁じえませんでしたけどね。




まぁ、そんなわけで色々ありましたが、この「仮面ライダー響鬼」はどんなにでこぼこな形になっていてもオレの心の道祖神であり続けてくれると思います。
この1年間頑張って下さったスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。
改めて次回作のライダーも楽しみにさせていただきます。