仮面ライダー響鬼 最終之巻「明日なる夢」

いよいよ響鬼も最終回です。
先週の放送でオロチを鎮める為の「清めの儀式」が行われましたが、その辺の描写もそこそこに舞台が1年後へと移行します。
何か緊張感があったんだか無かったんだか解らないままでしたね…。
関東の鬼も全員集結しませんでしたし、ちょっとだけ残念でした。


で、1年後の明日夢は鬼の修行もたちばなでのバイトも辞め、医者を目指して勉強に明け暮れています。
数学のテストでも満点を取るような成長っぷりですが、「よっしゃー!」とか言って答案用紙を見せびらかしたりするあたりに、性格の方の変化も見受けられました。
テンション高くなったんですねぇ。
何か垢抜けたような気もしますし、「ヒビキさんとの事はもう思い出かな」とか言っちゃってますしね。
本当に変わったなぁ。


んで、更に学校が終わった後は診療所でバイトです。
…でも医療関係の仕事を医学生でもない一介の高校生に任せちゃって良いんでしょうかね?
ちょっとでも医療ミスしちゃったら、大騒ぎになると思うんですけど。
よく許可したなぁ、病院側…。


一方、京介の方はヒビキさんの弟子として頑張っています。
ディスクアニマルの使い方も覚えたようですし、何より昔のような運動音痴ではありません。
こいつは素直に成長したなぁ。
端々からその成果が伝わって来るような感じがしましたしね。


そんな折に明日夢は足を怪我して斜面に取り残された子供を発見し、救出に向かいます。
が、思った以上に斜面は急だし、子供は重いわで登り切れそうもありません。
弱気になった明日夢は「もうダメです、ヒビキさん…」と弱音を吐き、1年も会っていなかった京介へといきなりSOSを求めます。
京介も修行中でしたが、あっという間に駆けつけて何とか事なきを得ました。
…ってか、ちょっと無理がありすぎませんか!?
京介って山奥にいたんだとばかり思ってたんですけど…。
いや、そうじゃないにしたってアレはもうワープですって。
明日夢も昔の恋人に未練たらたらの男みたいでしたし、情けないですなぁ。


で、今度は洋館のふたりに持田がさらわれたと聞き、二人は現場へ。
ディスクアニマルで居場所を探り、「場所がわかった、行くぞ!」と救出へ向かいますが、そこに魔化魍サトリが襲撃し、一気にピンチへ。
すると京介は「だからついてくるなと言っただろ!!」と、突然態度を豹変させて明日夢を責め立てます。
いや、アンタさっき「行くぞ!」って明日夢に言ったばっかりじゃないの…。
何か訳わかんないなぁ。
まぁ、この辺は京介が白い鬼に変身したり、イブキさんやトドロキの加勢があったりして助かりますが、さっきのやり取りが気になってあんまり集中できませんでした。
折角の見せ場だったのになぁ、京介の。
本当に勿体無い…。


その後、洋館の男女も何者かに作られたクグツの一種である事が判明しますが、つまりこれって黒幕の正体は判明せず仕舞いって事ですよね。
2人に餌を与えていた洋装の男女もまた誰かのクグツかもしれないわけですし。
作品世界での戦いはまだまだ続くって感じを出したかったのかもしれませんが、逆に中途半端なオチがついたっていう方が強いです。
完璧に裏目に出ましたな。


で、サトリを倒した一行に今度は魔化魍ロクロクビが襲い掛かりますが、そこにヒビキさんが駆けつけます。
「鬼神覚声」の連撃でこれを倒すんですが、何故か意味も無くそれに明日夢が巻き込まれ、気絶してしまいました。
気がつくとそこは海岸で、明日夢は近くにいたヒビキさんに駆け寄ります。
そして「僕はヒビキさんに憧れていたけれど、その真似をするだけじゃ駄目だって気付いたんです」と本音を語り、ヒビキさんは「鬼になる事だけが弟子になるって事じゃない。オレの傍で自分らしく生きてみなよ」と返して、2人は夕日を見つめますが…。
でもそれって何か噛み合ってないような気がするんですけど。
「私たちもう別れましょ」「いや、オレの傍にもっといてよ」っていう恋人同士の別れの会話みたいですよ。
斜面での明日夢もそうでしたけど、どうもカッコ良くなかったなぁ。
みんな成長したように見せかけておいて、本当は全員が内面的に退化してたんじゃないでしょうかね。
何だか腑に落ちません。


そんなわけで「終わりよければ全てよし」と言いたかったんですけど、これじゃちょっとそれすらも言えませんね…。
いくらなんでも荒すぎます。
まぁ、全48話と例年に比べて尺が短か目だったんで、語り不足になるのも仕方なかったんでしょう。
そこを何とかするのがプロのスタッフの腕だとも思いますが、過ぎた事を言ってももう仕方ありません。
次回作で今回煮え切らなかった部分をぶつけてもらえればと思います。