今日のサントラ その2

BlackLute~Monster Hunter Guitar Arrange~

BlackLute~Monster Hunter Guitar Arrange~


「BlackLute Monster Hunter Guitar Arrange」です。
お値段は1340円でした。
皆さん知っての通り、私はギターサウンドが大好きです。
なのでちょっと素敵なゲーム音楽とかに出会うと「あー、誰かこの曲ギターアレンジしてくんねぇかな」とか口癖のように出てしまいます。
で、そんな願いを聞き入れてくれたかのように登場してくれたのがこのモンスターハンターのギターアレンジCDです。
先ほどもご紹介したような野性味溢れる楽曲の数々がギターに彩られるとあっては買わない理由は御座いません。
と言うわけで聴いてみたんですが…、良くも悪くもなかなかに考えさせられる1枚でしたね。
まず全曲を通して聴いた率直な感想は「同人CDみたい」って感じでした。
原曲重視の東方のギターインストアレンジアルバムを聴いたような、そんな感覚ですね。
私は単純にギターになれば楽器の力で須らく音楽はより一層カッコ良くなると信じていた訳ですが、いざやってみると似合う曲と似合わない曲ってのは出てくるんだなぁと。
今回のCDで一番期待していたのは原曲が神懸り的にカッコいいジンオウガ戦の曲なんですよ。
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原曲からしてすでにエレキギターが使用されており、三味線や笛などの和のテイストを織り込んで美しさと力強さを兼ね備えた芸術的テイストに仕上げていたんですが、これがギターのみでアレンジされると格好は良い物の、何か薄っぺらくなっちゃうんですよ。
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「ギターなのにあの原曲の迫力は何処に行ったんだ!?」とちょっと困惑してしまいました。
そこで気付いたんですが、音楽というのは1種類の楽器だけで満足させようとするのは難しいものなんだって事です。
ギターだけじゃなく、三味線、シンセサイザー、笛と全ての音がミルフィーユのように重なり、それが渾然一体となって耳に届いた瞬間に絵も言われぬ一つの作品となるんだと改めて思ったわけです。
逆を言えばギターアレンジするなら構成の変化やテンポの変更、オリジナルパートの挿入等で工夫しないと満足の行く物に成り難い、と。
思っていたほど単純な物では無いんですねぇ。
しかしながらその反面、意外な広い物も多いCDではありました。
期待していなかった曲が結構な良曲に化けたりもしてるんですよ。
ティガレックスは荒々しさがウリなのに「新種か!?」と思うような鋭いカッコ良さを身に付け、オオナズチは何処かお洒落に変貌。
渓流戦のBGMである「陽昇る水景」は和風だと思っていたのに、ギターアレンジになると曲調が意外と中華風っぽく聴こえたり、ユクモ村のBGMだった「秘湯を求めて」は爽やかギターロックに大変身。
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そして極めつけはアイルーのテーマですよ。
ピアノとスローなエレキギターの音色が何とも大人っぽくて、「可愛い」から「ムーディー」なBGMへとメタモルフォーゼ。
いやぁ、面白い…。
アレンジとは「錬金術」みたいな物なんだろうなと思わされました。
物によっては蛇足にもなり兼ねませんが、組み合わせ次第で幾らでも変化するわけですんで。
それ故に今まで数多くの東方アレンジを聴いてきた自分の耳がこのCDを「同人CDみたい」と結論付けたんだと思います。
まさかメジャーのアレンジから同人を見直す切欠を得るとは、思っても見ませんでした。
音楽は本当に楽しいものですね。
何か興が乗ったので、今日はこれから仙台にでも行って何か同人CDでも漁ってこようと思います。
新しい発見との出会いを存分に楽しんできますよ。