今日のお仕事

昨日仕上げた300個の品物に追加工がある事が判明しました。
どんな加工かというと、高さ16.7ミリ、厚さ0.8ミリのポリカに作った0.45ミリの出っ張り部分を高さ0.9ミリ残して両面全て削って欲しいという物です。
これ以上加工のしようがないぐらいに形作ってしまった物に対して、どうやって加工をするかでみんな頭を悩ませていたんですが…
「それならゲージで挟んで、マシニングでデータ作って流しちゃえば良いんじゃないですかね?」
とオレが進言したところ、その案が採用となり、オレが担当する羽目になってしまいました。


実際に言うと容易く感じますが、ゲージ自体削り込み用に作っているわけじゃないので正確な寸法はわかりませんし、加工する対象も薄いのでかなり困難です。
しかも「両面とも削れ」というのがまた厄介で、材料の厚みと刃物の径を正確に計算しないと仕上がりがマイナスになってしまいかねません。
で、一応計算して組んだデータを流してみたら、案の定マイナスになったり、削りきれていなかったりして、上手く出来ませんでした。
と言うのも、図面では「0.8ミリに均一に仕上げれば良い」と出ているからその通りに計算してみても、実際はそれぞれ100分の1ミリ単位で誤差があったり、刃物の径も微妙に小さかったり、バイスの挟む際の力加減で厚みが変わってきたりもするので、なかなか上手くいかないんです。
まして今回のように0.01ミリのレベルで削らなければならない場合は、その差が顕著に現れます。
つまり、理論上できる事は現実に通用しないと言うわけですな。
そんなわけで成田さんや社長からは「大してうるさい物じゃないから、少しぐらいマイナスしても良いぞ」と言われたんですが、ここでベストを尽くさなければプロとは言えません。
なので今度は現在の厚みより0.05ミリ小さく切り込むデータに組みなおして流してみる事にしました。
余分な材料もほとんど無いので、一か八かの賭けだったんですが…
「おおっ、これは良いんじゃないか!?」
と、思わず声が出るほどいいものに仕上がってくれました。
厚みもマイナスする事無く、それでいて出っ張りの高さも0.9ミリピッタリに残っています。
ここまで来るのに1時間半近く掛かりましたが、納得のいく物が出来たのでその甲斐もありました。
他の方にも「完璧だ」って言ってもらえましたし。
今日は良い仕事が出来たので、よく眠れそうです。