「ケルベロス −地獄の番犬」鑑賞

ケルベロス?地獄の番犬?(デジタルマザー [VHS]

ケルベロス?地獄の番犬?(デジタルマザー [VHS]

ケルベロス騒乱によって国外逃亡を果たした都々目紅一。
彼を追って、元ケルベロス隊員の乾が台湾へと飛ぶ。
しかしそこで出会ったのは紅一では無く、彼の女と名乗るタンミーという少女だった。
乾は彼女と共に紅一を探すあてど無い旅へと出る事にする…。

押井守シネマトリロジー」最後の刺客、「ケルベロス −地獄の番犬」を鑑賞しました。
正直期待していなかったんですが、意外にもこれが一番面白かったです。
現実の風景と、過去や妄想が上手く入り混じった良い作品だと思いますよ。
何と言うか、素晴らしい景色に出会うと酒にでも酔ったような、くらくらとした感覚が起きる時が稀にありますけど、この映画はそれを見ている時と非常に良く似ています。
見る者によっては、ただ延々に風景と物を食う映像だけを見せられるつまらない作品に思えるかもしれませんが、その映像に共感できる人間であれば夢見心地で魅入っていられる不思議な作品に見えるんじゃないでしょうかね。
それと、あの押井守の作品にしては随分と一般受けしそうな内容に仕上げている点も驚きました。
見た感じ、何となく北野武の作風に似てるんですよね。
でも独自のテイストを壊してはいないので、自分の手法を使いつつも邦画に挑戦した意欲的作品と言えるのかもしれません。
押井守の実写作品ではダントツでオススメですので、気になった方は是非ご覧になってみてください。
…レンタルしてればですけど。