「おい、ちょっとこれヤバいんじゃない？ 改心の出来じゃないの？」
完成したばかりの品物を見て、思わず呟く。
我ながら今回の加工は非常に良く出来ていると思う。
見た目、寸法公差、コク、どれを取っても申し分ないだろう。
っていうかオレの社会生活の集大成と言っても良いかもしれない。
何か今から里子に出すのが勿体無く思えるぐらいだ。
良い仕事をすれば、自ずと気分も良くなる。
オレは意気揚々と品物を納めに向かったが…
課長：あぁ、斎君。これちょっとやってくれない？
オレ：はい？
そんな折に、突然営業課長から図面と材料のアルミ板を手渡されてしまいました。
見るとかなり面倒くさい加工が目白押しになっています。
オレ：まぁ、何とか出来そうですね。
課長：ああ。で、これが後で１０枚ぐらい寸法違いで図面来るから。頼むな。
オレ：…はい？
…な、何かいきなり雲行きが怪しくなって来たんですけど！？
っていうか週の頭から波乱の予感がバリバリですって。
でもこうなってしまってはもう仕方がありません。
この際、腹を括って頑張ってみますか。
そんなわけで、今週は修羅場確定です。
無事に乗り切れるよう、頑張りますよ。
