ニューオーダーオブネクストでフロム脳がヤバい

ニューオーダーネクストを読み始めてから、設定についての解釈を考え始まって止まりません。
まだ流し読みした程度だっつーのに何これ?
…まぁ、折角なんでちょっと考察した事をだらだら書いてみたいと思います。

アナトリアの傭兵とフィオナについて

アナトリアの傭兵とはAC4の主人公の事です。
元々はノーマルACを操縦していた所謂「レイヴン」なんですが、国家解体戦争で重傷を負った際にAMS適正がある事が発覚し、後にリンクスとなった人物です。
で、4から十数年を経たフォーアンサーで彼はホワイトグリントを駆ってラインアークの守護者となったという説が濃厚なようなんですが、自分はどうもこれが信用できません。
と言うのもフィオナの態度が冷たく変わり過ぎてるからなんですよ。
この辺は4のストーリーの大筋やちょっとした設定を知っていないと理解できないと思いますので、ちょっと説明をしときます。
まずアナトリアの傭兵はAMS適正自体は決して高くない物の、元々腕利きのレイヴンであった為に足りない部分を経験でカバーするローディ先生のようなリンクスだったようです。
で、彼はアナトリアコロニーの為に、引いてはフィオナ・イェルネフェルトの為に自分の身を削ってリンクス戦争を戦い抜くわけですが、彼のAMS適性の低さから神経を機体に蝕まれ、自身の体自体もコジマ粒子の汚染によってボロボロになってしまいます。
そんな彼をオペレーターであるフィオナは終始案じ続けますが、結局アナトリアの傭兵は共にレイレナードを打ち滅ぼしたジョシュア・オブライエン…、つまりホワイトグリントのパイロットが駆る試作型ネクスト「アレサ」との一騎打ちによって限界を迎え、勝利を収めはするもののフィオナと共にアナトリアを去る事になります。
まずこの時点でアナトリアの傭兵が再びリンクスとして復帰する事は絶望的だと思えます。
だってジョシュアとの一騎打ちでは空の色すらまともに認識できないほど体を蝕まれていたわけですからね。
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もしも延命措置を受けたとしても、やはり戦える体ではもうないと思います。
なのでやっぱFAでホワイトグリントに乗っていたのは別のリンクスなんじゃないでしょうかね。
だから彼の機体が海中に没した時も「彼はもう貴方を助ける事が出来ません」としか言わなかったんでしょうし、ホワイトグリントのパイロット自体もあっさり退場してしまえたんだと思います。
更にもう一つそのように思えた根拠がニューオーダーオブネクストに掲載されています。
この本でレイ・フリードマンとフィオナの対話が描かれているんですが、ここで彼女は「ラインアークの為にも早く彼の代えを見つけなければならない」と言ってるんです。
つまりこの段階で既にフィオナにとってホワイトグリントが代えの効く存在にまで成り下がっているって事なわけです。
となるとアナトリアの傭兵は既に死亡していて、彼の存在と言うか威光みたいな物を残したくてフィオナは彼の面影をホワイトグリントに込めたんじゃないでしょうか。
しかし幾ら想いを込めても所詮は幻影。
何時しかその面影はアナトリアの傭兵がこの世にいないという事実を改めて認識させるだけの存在となり、フィオナは結局ホワイトグリントに冷たく接するようになってしまったんではないかと。
ここまで色々条件が揃っていると、自分はそう思えてなりませんな。

首輪付きとオールドキングEND

首輪付きはカラードに所属するリンクスに対してのあだ名みたいな物ですが、ここではフォーアンサーの主人公の事を指します。
カラードによって縛られたリンクスって事でこういう呼ばれ方をされているようですが、自分は主人公を縛りつけているのはカラードだと思っていません。
真に縛り付けているのはオペレーターのセレン・ヘイズではないかなと。*1
主人公はセレンに見出されてリンクスになった人物ですが、その後も彼女は主人公にある程度の自由を与えはするものの、常にその監視下におかれて行動し続ける事になります。
それがもし主人公にとって煩わしいと感じる物であったなら、それこそが繋がれた首輪そのものであると言っても過言では無いでしょう。
セレンとの決別。
それこそが首輪を外して自由になる行為だと思うんですよ。
で、そんな折に声を掛けてきたオールドキングの依頼に乗ってセレンと道を違え、アルテリア・カーパルス占拠のミッションでセレンを撃破して、初めて自由になったのかなと。
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自由

「自由」という言葉はアーマード・コアの世界に於いて非常に重要な物だと思います。
自由があるが故に人は傲慢に生き続け、それを縛る為に管理するシステムが築かれ、そのシステムに不具合が起こるとその都度イレギュラー*2によってシステムは破壊されてきました。
しかしそれによってまた現れるのは自由を得た人類の破壊行為と、それを危惧した者による管理体制の再構築の繰り返し…。
言わばACの戦いとは人間が自由という名の滅びを勝ち得る戦いの繰り返しとも言えるのです。
で、4シリーズもこの自由を追う戦いが繰り広げられています。
最後のレイヴンたるアナトリアの傭兵はリンクス戦争とコジマ汚染という世界的破滅を齎した末に、自らもAMSとコジマに侵されて滅び、真の自由を得る事になります。
そしてオールドキングルートで人類種最大の敵とまであだ名されるようになる首輪付きは、クレイドルに住まう1億もの人類を殺害した挙句、世界最高位のリンクス4人とセレンをも撃破して誰にも歯止めの効かない存在となります。
その後の人類の残された道はほぼ絶滅となるでしょう。
つまりは滅びゆく世界で、首輪付きはついに首輪を外されて自由となるわけです。
しかしまぁ、壊滅してしまった世界での主人公の自由はやはり「死」と同義です。
いづれ彼もまた大地に還ってしまうってわけですね。
ここで面白いと思ったのは、ワタリガラスの意味も持つレイヴンが天に召され、狼の意味を持つリンクスが地に伏す事です。
何か皮肉ですが、どっちもこの世界で生きたイレギュラーらしい死に方な気がしますな。

Ⅴについて

閑話休題ですが、アーマード・コアⅤのトレーラー映像のラストに、この世界の5メートルクラスのACとは明らかに規格の違うサイズのコアパーツが発掘される様子が映されます。
もしですが、Ⅴの世界が首輪付きによって滅ぼされた後の世界で、あの時にまた残された人類が地下とかに潜ってコジマに侵された地上が元に戻るのを待ち、再び帰還した後の世界だとするとまた面白くも思えます。
人々に害を齎すコジマに頼らない兵器として地下で生み出されたのが、あの5メートルサイズのACで、発掘されたあのコアが首輪付きの乗っていた物とかだったりすると…、なんかワクワクしますな。
ついでにあれが復元されてラスボスとかになってたら燃える展開になる事間違い無しじゃないかなと。
何か今日はそんな事ばかり考えて大変でした。
と言うかこんなにフロム脳が疼いたのは久しぶりだった…。
けど楽しかったぜ…。

*1:正確にはオペレーターがアーキテクトのセレン・ヘイズであるとは断定できませんが、そうであると解釈した上での話です。

*2:アーマード・コアの主人公