今日の東方アレンジCD


EX永遠亭さんの「秘封倶楽部ホラー合同 百音語」です。
これは先週の例大祭で購入したものです。
区分としては秘封倶楽部のマンガと短編小説で構成された合同誌なんですが、2枚組みのアレンジCDも付属しており、更にこれ等全てを収納できるBOXも付いて来ます。



ボリュームもさる事ながら、作りも非常に豪華で、見た目だけで既に買いな出来なんですが、会場で購入すると更におまけが付いて来るんですよ。
それがこちらです。



お札型の魔よけステッカーと、博麗神社のお守りと、CDから何から全部入れられる紙袋です。
こんなに付いててお値段たったの2000円ポッキリ。
委託で買うより500円も安くて、しかも宇佐見蓮子のコスプレして売り子してた方が超絶美人で更に眼福と来たもんですよ。
正直、蓮子にときめく日が来るとは想像もしてませんでした…。
こういう面白さや喜びがあるから即売会へ行くのは止められませんな。


さて、閑話休題ですが中身の感想です。
自分はぶっちゃけあまり文字を読むのが好きではありません。
小説とかは1ページ1ページ乗り越えていくのがしんどくて、ページの残りとか見てうんざりしてしまって読むのを止めてしまうケースが殆どです。
そんな私ですが、この合同誌は収納BOXに収まる程度の厚みだった事と、勝手知ったるCDのブックレットと同サイズだったので特に拒絶反応を示さなかったんですよ。
なので折角付属しているCDを深く楽しむ為にも全部読んでみようと思い立ちまして、CD聴きながら手を付け始めたんです。
そしたらこれが面白いの何の。
どの話も適度な長さな上に、一編一編趣向が凝らしてあって読む手が止まりませんでした。
底無し沼の話は普段当たり前にある池や沼の存在も見方を変えれば恐怖の対象にもなりうると気付かせてくれましたし、テケテケさんの話も蓮子とメリーの間に発生するとも思っていなかった恋愛感情の縺れが上手く絡められていて独特な読了感を与えてくれましたし、他の話にも稲川順二さんが出たり三月精も出たりと意外性抜群でした。
そしてこれ等を拝読して思ったんですが、水面にしろ踏み切りにしろ、日常に何気なくある「境界」への捉え方が少し違うだけで冒険の糸口が見つかるのが「秘封倶楽部」なのだとしたら面白い題材だなぁと。
失礼ながら今まで秘封はあまり東方作品として興味の対象に無かった存在だったんですが、これを切欠に他の作品も読んでみたくなってしまいました。
そしてまた狙ったかのように、この本を買った時にこんな冊子も貰ってたんですよね。



良く書店のレジカウンターで配布してたり、小説とかに挟んである出版社の他の作品を紹介するアレをモチーフにしたリーフレットです。
もちろん中身は書店で配布しているのと同じく東方の二次創作小説を扱うサークルさんの作品を紹介する為にあるんですが、本物と遜色ない出来な上に扉絵が鈴奈庵の本居小鈴ってのがタイムリーでにくいですね。



「これが面白かったら他のサークルさんのもどうぞ」って訳ですから、策略に乗ってこれを頼りに同人ショップで本を見繕ってみたいと思います。


そしてCDの方ですが、当然ながら収録されているのは全曲秘封倶楽部関連のアレンジのみです。
更にホラー合同という事もあってどれも基本的におどろおどろしい曲調ばかり。
ジャムさんの衛星カフェテラスのアレンジである「心霊カフェテラス」はピアノを主旋律に置いた曲なんですが、所々で音を外したりブレイクを入れたりしていて、ピアノという音色ならではの恐怖感を上手く作り上げていました。
それとは対照的にAssaultdoorのありおとさんが手掛けた53ミニッツの青い海アレンジである「reflection」は同じピアノアレンジでありながら、寂しさや悲しさに焦点を当てていて、これ等の比較が面白いと思えました。
そしてこのCDの中で一番気に入ったのがSound CYCLONのしゃばだばさんの「踏切」という曲です。
ヒロシゲ36号のボーカルアレンジなんですが、これがこの本を読んだ後に聴くのにピッタリな雰囲気なんですよ。
まるでホラー映画のエンディングにでも流れるような感じで、凄く心地よかったです。
心なしか曲に合わせてスタッフロールが見えた気がしましたしね。
正にこういうのが夢と現の「境界」を垣間見た瞬間なんでしょうな。
本もCDも総て合わせて素晴らしい出来でした。
今回の例大祭の一番の買い物と言い切っても過言では無いでしょうな。
これからまたこういう合同誌に出会って行きたいものです。


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