ネタバレ感想シリーズ 第4弾「鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」

最近仕事が忙しかった分、会社に大きな黒字が出来たそうです。
で、社長が気を利かせて臨時の期末手当を出してくれました。
一月に「給料」「ボーナス」「手当」と3度の現金支給が行われた為、財布の中はホックホクです。
ってなわけで今日はオレのおごりでミーを連れて、前々から観たかった「鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」を鑑賞することにしました。


とりあえず感想を言う前に、ハガレンのアニメの最終回をおさらいしてみましょう。
エドは自分を生き返らせる為に消滅してしまったアルを蘇らせようと、自らの身体を使って人体練成を行い、門の先にある「こちら側の世界」のミュンヘンへ来てしまいます。
そこで彼は元の世界に帰る為の手立てを、父ホーエンハイムと共に模索する事になりました。
一方、無事に元の肉体で蘇ったアルは記憶を失いつつも、兄と再会する為に再び錬金術を学びます。
兄弟が再会するのはいつの日になるのか…、といった感じでアニメは幕を閉じたわけですね。
で、今回の劇場版はその3年後が舞台です。
アルは亡き師匠の下を去り、兄を蘇らせる手段を得るために旅に出ています。
が、兄のエド錬金術が使えない世界にいる為、成す術がありません。
失意の日々を送るエドですが、ある時に異世界「シャンバラ」への門を開こうとする「トゥーレ協会」なる組織と関わりを持ってしまいます。
そこから兄弟が再び出会う切っ掛けが生まれるんですが…、まぁここからは一応伏せておきましょう。


最後まで観た感想ですが、何だか「劇場版」というよりも「TVスペシャル」と銘打ったほうがしっくり来る様な内容でした。
劇場でやるほどの豪華さは見当たらなかったですし、作画に関してもテレビ版とあまり大差がありませんでしたからね。
オープニングもDVDジャケットの使い回しで、手ェ抜いてたような感じが否めません。
…まぁ、元々アニメとして非常に高い完成度を持つ作品でしたから、アレ以上を望むのは無理なんでしょうかね。
でも「COWBOY BEBOP 天国の扉」*1に追いつく位は頑張って欲しかったと個人的に思っています。
素材が良い物ですから、何だか勿体無かったですね…。
ストーリーの方は現実にあった「ナチスのクーデター事件」と上手く絡ませてありましたし、ラストも「鋼の錬金術師」の1つの結末として良く出来ていたんじゃないかと思います。
でも、何だかアルの使う錬金術がデタラメになったような気がしてなりません。
例えば、水分の無い砂漠で水を練成するシーンがありましたが、これって「等価交換」の法則には当てはまってませんよね。
それと、物質に自分の魂の一部を宿すのは錬金術じゃないような気もします。
でもまぁ、マスタング大佐(劇中では伍長)やアームストロング少佐(劇中では退役)も相変わらずのキャラで出てくれてましたし、ホムンクルスのその後もちゃんと描かれていたので良かったと思いますよ。
ハガレンを知らない人には酷な内容でしょうが、ファンなら観て損はありません。
でも、初めに言ったように「TVスペシャル」な感じですので、出来るだけ安い日に観に行った方が良いかもしれませんね…。


あと、パンフは2種類出てますが、無理してでも1200円の高い奴を買った方がいいですよ。
500円の安い奴はほとんどポスターみたいな物ですからね。
両方買ったオレが言うんだから、間違いありません。
お気をつけ下さい。

*1:01年 渡辺信一郎監督作品。全く手抜きの無い圧倒的なクオリティとハードボイルドなストーリーで、多くのファンを獲得した伝説のアニメ「COWBOY BEBOP」の劇場版。唯でさえ凄かった作画が更にレベルアップしており、下手な実写映画よりも見応えのある作品となってしまった。個人的にはこれが「究極のアニメーション」の形だと思っている。