今日のお仕事

朝の一件から気合の入った本日。
やる気満々でフライスに向かいますが、何と今回も面倒なお仕事です。
材料はアルミで、大きさは100□(100ミリ×100ミリ)に満たないんですが、リーマーが多い為に手間がかかります。
しかもそのリーマーは裏からの止まり。
つまり、貫通しないリーマーを裏から空けろというお達しなわけです。
「何だ、精度のうるさい穴を裏から空けりゃ良いだけだろ」と仰るかもしれませんが、実はこれが意外と曲者なんです。
リーマーがうるさいのは決して穴の大きさに関する事だけじゃありません。
実は座標もうるさいんですよ、これが。
その公差は何と100分の1…、つまり0.01ミリ単位の誤差までしか認められないんです。
それを裏っ返して上下左右の誤差を計算しつつ穴を開けるのは、材料の仕上げまで正確に行わなければならないんで、結構大変なわけです。
しかも止まりのリーマーとなると、穴の大きさや座標だけでなく、深さまで気にしなくてはならない。
こうなると面倒くさいわけが解って頂けたと思います。
とりあえず今回の公差は0.02ミリ以内。
結構シビアですが、仕事としてのやり甲斐はあります。


で、正確に材料を仕上げ、丁寧に穴を開けて何とか全てのリーマーを空け終わりました。
残りは普通の穴やタップ穴(ねじ穴)ばかり。
ここまで来れば、もう終わったも同然です。
まずはタップ穴から仕上げようと思い、M4ヘリサート用の4.2ミリのドリルをセットして穴を開けますが…
「…何か穴大きくないか?」
思わずそう呟いてしまうほど、空けた穴が大きかったんです。
しかし、ドリルの入っていたケースは確かに4.3ミリに間違いありません。
気のせいなんだと思って他の穴も仕上げ、9割方完成。
少々不安を感じつつも、最後に例の穴にねじ溝を付けようと思ったんですが…
「…大きすぎてタップが入んねぇ」
不安的中。
やっぱり穴がでかすぎたんです。
で、ノギス(材料の大きさを測る道具)を使ってドリルの径を調べてみたら、何と5.3ミリもある。
どうして4.2ミリのケースに5.3ミリのドリルが仕舞われてたのか分かりませんが、これの所為で間違ってしまったのは火を見るより明らかです。
結局どこの誰かがドリルのケースを仕舞い間違っただけで、オレは仕事を失敗してしまいました。
「くっそー…、まさかこんな事でミスるとは…」
誰を責める事も出来ず、そのままやり直しとなってしまいました。
やる気沸いたそばからこれだから、参っちゃいますよ…。