今日のサントラ


エースコンバット アサルト・ホライゾン」のサントラです。
お値段は中古で1280円でした。
このゲームはサントラが一般流通しておりません。
何故ならエンターブレインの通販ショップ「エビテン」でのみ限定販売されたファミ通DXパックにのみ付属されていたからです。
一部を除いて過去作では基本的に一般流通でサントラが発売されていましたが、PSPでリリースされた「エースコンバットX スカイズ・オブ・デセプション」からサントラのリリースが行われなくなり、アサルト・ホライゾンもこのようなオマケとしてしか日の目を見ることがありませんでした。
エスコンシリーズの音楽は「みんなで決めるゲーム音楽ベスト100」でも常連でして、特にラストバトルに流れる曲はどれも至高で御座います。
エスコン4の「Megalith -Agnus Dei-」は賛美歌のような荘厳さを湛え、エスコン5の「The Unsung War」は静かな曲調ながらもラテン語の歌詞で綴られる歌が曲と一体化してやがて壮大なオーケストラとして昇華され、エスコン6の「THE LIBERATION OF GRACEMERIA」はまるで心音を想起させるようなリズムで徐々に盛り上がって行き、溜めに溜めた感情が爆発したかのような力強いサビに至ると鳥肌を抑えきれなくなりますし、そして誰もが知るエスコンゼロの「ZERO」では情熱的なフラメンコの音色で決戦を彩ると言う奇跡的ミスマッチさが激しい化学反応を起こして聴く者を興奮の渦へと飲み込んでくれるという、音楽として芸術としか言いようの無い素晴らしい物ばかりで御座いました。
これ等の音楽を手掛けた小林啓樹さんの作品を自分も心より楽しみにするようになりましたが、方針の変更からか残念ながらそれ以降の作品からサントラの入手が困難となり、アサルト・ホライゾンもサントラ目当てでDXパックを購入しようと割と本気で検討しながらも財政的な事情によって断念し、失意の日々を送って参りました。
しかし先日、何の気無しに多賀城の万代書店に行ってみたらこのCDが売られておりまして、狂喜乱舞しながらレジまで持って行ってしまいました。
…給料日前で金無いのにね。


で、早速聴いてみましたが、今回は中東が舞台となっているお陰か、今までのシリーズとはまた違ったサウンドを展開しておりました。
感覚としては映画の「ブラックホークダウン」や「ジャーヘッド」の雰囲気と言いますか、シタールやポンゴを多用したその土地の戦場ならではのエキゾチックな雰囲気をしっかりと生み出しており、エスコンの新たな一面を覗かせてくれたと思っています。
そして今回のラストバトルの曲である「Horizon」はやはり素晴らしかったです。
今までに無い緊張感に満ちたサウンド
そしてけたたましく鳴り響くコーラス。
まるで映画のクライマックスの最中を実体験したかのようなこのライブ感は、ゲームサントラとして稀有だと思います。
やはり小林さんは凄いなぁ…と思いつつも、今回は小林さん以外に濱本理央というコンポーザーさんの曲も結構良かったと思って得した感がありました。
この方の音楽はギターがよろしいんですよね。
「Decisive Battle」とか出だしがマジで好みでした。
これでもうちょい曲としてボリュームがあったら満点だったんですが、素晴らしい音楽に出会えただけで個人的には満足です。
これからが期待できるコンポーザーさんですね。


しかしながら満足した反面、こういう「金銭的に努力しなければCDを手に入れることが出来ない」という商売方法には疑問が残ります。
自分のようにゲームをやらなくてもCDが欲しいと言ううつけ物だけでなく、ゲームをやって音楽を気に入った方が後からCDを入手できないのもおかしい話ですし、基本的にゲームもやってもいないのに音楽の良さが解るわけがないので、ゲーム同梱のDX版でしかサントラが手に入らないのは誰も得しない販売形態ではないかなと。
こういう事をやっているとヘタしたら企業不審へ発展しかねないので、もうちょっと考えて頂きたいです。
…とか言って「サントラを発売して利益を回収するのも難しいんだよ」とか言われたら困るんですがね。
ともかく「CDはあくまでコレクターズアイテムで、音楽自体は後でダウンロード販売する」とかいうウィンウィンの関係とか構築出来ればなと思っています。
より良いゲームサントラの未来が開けてくれると嬉しいですな。